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小説におけるテーマとメッセージの違いを明確化しよう

小説におけるテーマとメッセージの違いを明確化しよう
学生時代、国語のテストで「この作品はなにについて書かれていますか?」という問題を解いたことがありませんか?
もしくは「作者がこの作品を通して伝えようとしたことを答えなさい」という問題が出題されることもあります。

「なにについて書かれたか」と「作品を通して伝えようとしたこと」というものは、それぞれテーマ(主題)とメッセージと呼びます。

小説を書き始めたばかりのころはこの2つが混同しがちです。
今回はこの2つについてご紹介したいと思います。

テーマは作品を構成する要素


本を読んだ後や映画などを見た後の感想として「テーマがよかった」「テーマ性が重い」などという言葉を見ることがあります。
じつはこの際に上がる「テーマ」とは、創作論で言うところの「テーマ」とは少し違うのです。

テーマとは日本語に直すと「題材」と書きます。
「題材」とは作品を作るうえでの構成要素で、1つだけではありません。

ゲーテの「ファウスト」で例を挙げると、「悪魔」「天使」「人生」「恋愛」「キリスト教」がテーマとして考えられます。

メッセージは作者の訴えたいこと


読み手の感想として挙がる「テーマ」とは、むしろ創作論における「メッセージ」の意味あいが強い場合があります。
書き手がなぜその作品を書きたいのかという動機とも強く結びついています。

先ほども挙げたファウストを例として挙げましょう。戯曲はまず「献辞と前戯」と「天上の序曲」ではじまり、その「天上の序曲」にて物語の重要なキャラクターである誘惑の悪魔メフィストフェレスと主による問答があります。

その問答こそが作中の骨子であり、とくに問答を締めくくる「人間は努力するかぎり迷うもの」という主の言葉が、書き手側からみた「メッセージ」として考えられるのです。

本文を書く前に企画書を作る

小説におけるテーマとメッセージの違いを明確化しよう

自分1人で小説を書こうとすると、書き始めたばかりの人の多くは企画書を作らずにいきなり本文から書き始めようとするのではないでしょうか。

作品を最後まで書ききるためにも、企画書から書き始めることをおすすめします。
企画書とは「テーマ」「メッセージ」「世界観」「世界設定(舞台となる場所)」「書き手としての目的(読者に、読後どんな気持ちを抱かせたいか)」「キャラクタープロフィール」「プロット」からなるものです。

上記で挙げたものを、本文を書き始める前にしっかりと明確化させましょう。
そうすることで書いてる最中に執筆につまっても、企画書に立ち戻って自分が何に基づいて文章を書いていくべきか見直すことができます。
企画書とは書き手にとって、作品を書きあげるための地図のようなものなのです。

創作論は1つではない


今回ご紹介したテーマとメッセージの違いは、創作論における考え方の1つです。
創作論は本屋で出ている小説の書き方の指南書はもちろん、既存の作品を分析したり、過去の文人の発表している創作論(谷崎潤一郎先生の「文章読本」など)から勉強することができます。

ぜひそれらを参考にしつつ、自身の執筆に生かしてみましょう。

【原稿募集】はこちらから
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