なぜ人は小説に夢中になるのか? 三幕構成の秘密
私たちが小説を読んだり舞台を見たりしているとき、日常とは離れた別世界へ気持ちが飛んでいってしまうことはよくあることでしょう。
良くできた物語であればあるほど、ついつい夢中になってその世界観にのめり込んでしまうものです。
では、なぜそんな作用が小説や舞台にはあるのでしょうか。
それは三幕構成という、皆さんを引き込んでいく物語の流れ(構造)があるからなのです。
三幕構成とは?
三幕構成とは、物語全体を「発端」「中盤」「結末」の三つの部分に分け、読み手が最後まで飽きず、迷子にならずに物語を追っていけるようにする工夫のことです。
本格的な小説や舞台でなくても、体験談や講演などの上手な人は、知らず知らずのうちにこの三幕構成になっていることが多いものです。
では、三幕構成とはどのようなものなのか、順を追って見ていきましょう。
つかみはOK?「発端」の役割
まずは「発端」、状況設定の部分です。
ここで登場人物・キャラクター、場所、時間などその物語の世界観のようなものを提示します。
いわゆる「つかみ」と言ってもいいでしょう。
この「発端」の部分で読み手が物語の世界に入り込めなければいけないので、様々な工夫が必要です。
あくまで提示するのであって、長々と説明してしまうと受け手は白けてしまいます。
「これは何だ?」「いったいどうなっているんだ?」と思わせるような謎や暗示、いわゆる伏線を配置しつつ「ああ、こういう世界なのかな」とごく自然に納得させることが重要です。
そして、何かの「きっかけ」となる出来事を通して「中盤」へと話はつながっていきます。
「中盤」は物語の核心へ
次に「中盤」です。
中盤は対立・葛藤の部分になります。
「発端」で提示された「問題の種」がここで大きく展開していきます。
恋愛物なら男女の駆け引き、ファンタジーなら敵と味方との対決、推理物ならさらに謎を深める事件・事象などです。
登場人物が最終的な到着点にたどり着くまでの障害がさまざまな手法によって現れて、先行き不透明な状況になります。
対立や葛藤には、人間や勢力同士の外面的なものから、「主人公が自己の存在に疑問を抱く」といった内面的なものまでさまざまです。
この「中盤」では「うわー、どうなってしまうんだろう!」と感じることが多くなります。
そして、先行き不透明な部分にかすかな光が差すような「きっかけ」が提示され、「結末」へと一気に突き進んでいきます。
「結末」はカタルシスに至る道
最後は「結末」です。
いわゆるクライマックス(絶頂)が入る部分で、中盤に練り上げられた葛藤や対立がメインキャラクターによって最終的に解決されていきます。
ハラハラドキドキはここでピークに達し、その瞬間がいわゆる「クライマックス」です。
そして、一気に葛藤・対立は解決。最終的な本来の到着点にたどり着きます。
読者・観客はここで大きなカタルシスを感じるのです。
私たちの実際の生活においては「問題は継続中」なことがほとんどで、日々それに頭を悩ませているのが現状ではないでしょうか。
しかし小説や舞台では最終的にこの問題解決の到達点があります。
三幕構成を通してそれを追体験することで、物語の面白さを読者・観客は味わうことになるのです。
物語の構成にはさまざまな種類があります。
その中でも、流れがつかみやすく、読み手への訴求力も高い三幕構成を選んでみるのも良いかもしれませんね。
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