平和の望んだ偉大な帝王が続けた戦争
パックス・カロリーナ、いうなればカトリック教による 平和を望んだカルロス五世は、それゆえに願望とは逆に、 戦争の泥沼から抜け出せなかった。

目次
カルロス小伝
プロローグ
第一章　真夜中に棺桶を開けさせる　─母は狂女フアナ─
第二章　皇太子にして国王であらず　─国王宣誓─
弟三章　国王万歳、騎士はくたばれ　─都市共同体の乱─
第四章　かくも強大なる国王の捕り物　─パヴィア─
第五章　法王の身柄拘束　─ローマ略奪─
第六章　神の神聖なる贈物、この短剣を受けよ　─ボローニャで戴冠─
第七章　朕とて同じで唾も出ない　─チュニス攻略─
第八章　遠征を続けないように　─アルジェからの敗退─
第九章　パリを窺う　─第四次フランス戦役─
第十章　今、朕を皇帝と呼ぶのか　─シュマルカルデン同盟との戦い─
第十一章　朕の仕事は、正義を阻害することではない　─帝国の危機─
第十二章　神のご加護でとてもお元気です　─ジュステに死す─
エピローグ
史料ならびに参考文献
カルロス五世系図
カルロス五世年表
あとがき

力による平和は可能か？
◆史料を元に歴史の真実を追う
『コロンブス夜話』
『マゼランと初の世界周航の物語』
に次ぐ、第３弾！

<訳者紹介>
伊東　章（いとう　あきら）
1937年生まれ
著書に
『ラス・カサスの世界　―コロンブスの発明とその遺産』
『コロンブス夜話　―現代秩序の基を築いた男の実像』
『マゼランと初の世界周航の物語』など