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価格
3520円(税込)
ページ数
498ページ
発行日
2023年12月25日
ISBN
978-4-86782-043-8
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少女たちの〈居場所〉ー資本の他者としてー
関谷 由美子
- 「大人に成るは嫌やなこと」(「たけくらべ」)
- この声のゆくえを日本文学の中に探る。 少女について、この社会が擁する言葉は実に少ない。だから少女は、憂鬱の宝庫である。(「あとがき」より)
目次
-
序に代えて
Ⅰ 仮名垣魯文 〈毒婦〉と新聞
第一章 『高橋阿伝夜叉譚』の機構 ―隠喩としての〈博徒〉―
Ⅱ 尾崎紅葉と北田薄氷
第二章 硯友社一面 明治二十年代の想像力 ―『心の闇』の〈出世主義〉―
第三章 日清戦後文学としての『多情多恨』 ―〈擬制〉と〈集合〉―
第四章 〈異類婚姻譚〉の復活 ―北田薄氷の〈室内〉―
Ⅲ 島崎藤村・宗教の問題
第五章 『家』―〈永続〉の信仰 ―〈御先祖〉という思想―
Ⅳ 田村俊子・高群逸枝 少女たちの困難
第六章 〈糸魚川心中事件〉と『あきらめ』 ―二つの〈自由〉をめぐって―
第七章 〈戦闘美少女〉の戦略 ―『木乃伊の口紅』の〈少女性〉―
第八章 〈少女情死事件〉の時代 ―〈性欲論議〉と少女―
第九章 高群逸枝『娘巡礼記』―〈文明化の過程〉を視座として―
Ⅴ 夏目漱石
第十章 『こころ』 ―ロマン的〈異形性〉のために―
Ⅵ 徳田秋聲
第十一章 異邦の身体―『あらくれ』の〈語り〉―
Ⅶ 近代演劇 三好十郎・つかこうへい
第十二章 『トミイのスカートからミシンがとびだした話』試論―〈選択〉しない女たち―
第十三章 〈カーニバル〉としての全共闘闘争―『飛龍伝 神林美智子の生涯』と〈天皇制〉―
Ⅷ 林芙美子と戦争
第十四章 井上ひさし『太鼓たたいて笛ふいて』―ハメルンの〈子供たち〉―
第十五章 『浮雲』の身体文化―ジェンダーという〈磁場〉―
補遺
韓国ドラマ『冬のソナタ』の神話構造―〈偽装〉するドラマ―
あとがき
出典一覧
著者名・作品名索引
用語索引
著者略歴
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関谷由美子(せきや ゆみこ)
東京生まれ 博士(文学)
1980年 東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程修了
2014年 学位取得(首都大学東京)
職歴 文教大学、大東文化大学、上智大学、共立女子大学、国士舘大学、成城大学短期大学部などで講師を務める。
現在 日本近代文学会、日本文学協会、社会文学会、島崎藤村学会会員
○著書
『漱石・藤村〈主人公の影〉』(愛育社 1998・5)
『〈磁場〉の漱石―時計はいつも狂っている―』(翰林書房2013・3)
○共著他 『大石修平 感情の歴史』(共編 有精堂1996・10)、『明治女性文学論』(共編 翰林書房2007・11)、『大正女性文学論』(共編 翰林書房2010・12)、『韓流サブカルチュアと女性』(共著 至文堂2006・7)、『井上ひさしの演劇』(共著 翰林書房2012・12)、『つかこうへいの世界 消された〈知〉』(2019・2)、『宝塚の21世紀―演出家とスターが描く舞台』(共著 社会評論社2020・4)など。

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