価格
3080円(税込)
ページ数
266ページ
発行日
2024年1月16日
ISBN
978-4-86782-061-2
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奄美染織史
茂野幽考
- 幻の名著の復刻
奄美を中心とする、周辺諸民俗の古代染織文化史を展開。
その中から奄美に関連する資料を要約する。
『大島紬の研究』でも知られる著者の国際的にも貴重な研究として注目された成果が甦る。
目次
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序文
第一章 奄美の古代染織
第二章 大島紬の歴史的変遷
第三章 綾錦織の領巾
第四章 絹織物着用禁止令
第五章 奄美琉球の染料植物
第六章 養蚕と桑木税
第七章 薩摩藩と大島紬
第八章 大島紬の技術韓国へ流出
第九章 つむぎ雑纂
第十章 奄美染織画譜
附 録
著者略歴
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茂野 幽考(しげの ゆうこう)
明治二十九年(一八九六)、鹿児島県大島郡瀬戸内町古仁屋生。本名茂野榮良。
先祖は代々津口横目(港の役人)として漂着船の検問に当たった。
明治四十五年(一九一二)、古仁屋高等小学校卒業後に上京。
大正二年(一九一三)、東京工科学校入学。大正十年に中南米の民族文化研究のために 渡米、同十二年三月二十日帰国、九月一日に関東大震災に遭い九死に一生を得て帰郷する。以後三年をかけて奄美の島々を廻って古俗や方言・俗信などを調べて、『奄美大島民族史』として完成させた。また、瀬戸内町出身のロシア文学者昇曙夢を介して柳田國男を知り、柳田國男の紹介で岡書院からこの本を出版した。
柳田國男は東京の砧村の書庫の新築落成祝に知名の学者三十人を招き、同書の出版記念を兼ねて赤飯を炊いて祝い、「君は生涯をかけて島の研究をしなさい」と激励してくれた。このとき、折口信夫・伊波普猷・金田一京助・中山太郎・早川孝太郎・宮本常一らが列席、特に沖縄出身の言語学者で民俗学者である伊波普猷とは親交を深めている。
昭和六年(一九三一)京都大学人類学清野教室の三宅宋悦と奄美大島北部の古墳人骨の調査、翌七年には大島全域の婦人の入墨の調査をして百四枚を採取。
昭和十年(一九三五)、上京して東京市役所社会局に奉職
昭和十八年(一九四三)、鹿児島市長の招きにより鹿児島市の郷土課次長。
昭和二十年 (一九四五)、鹿児島県立図書館に奉職、戦後は奉仕課長として県下全域を駆け巡って民俗調査をも行った。
右は『日本民俗誌体系』からの転載であるが、行詰めで記してあるので分かり易いように書き替えてある。左は私が編んだ後年の略歴である。
昭和二十六年(一九五一)五十五歳、『日南切支丹史』をヴエリタス書院より出版。(上智大学ヨハネス・ラウレス師により外国に紹介された。)
昭和三十年(一九五五)五十九歳、「古典に生きる郷土・奄美大島」を雑誌『教育技術・中学国語』に掲載
昭和三十一年(一九五六)六十歳、定年退職。自宅を『奄美文化研究所』とする。「初期切支丹の布教と南蛮貿易」を雑誌『教育技術・社会科研究』に掲載
昭和三十三年(一九五八)六十三歳、文化映画『大島紬』の製作に協力
昭和三十五年(一九六〇)六十四歳、『奄美万葉恋歌秘抄』を昭森社から出版、宝文館の『切支丹風土記』の第一巻 九州編「薩摩の切支丹」を担当、「奄美萬葉について」を南日本新聞に連載
昭和三十五年(一九六〇)十一月三日 地方文化に貢献したとして、第十三回南日本文化賞(学術部門)を受賞
昭和三十六年(一九六一)六五歳、第十二回キリスト教史学会(近江八幡市で開催)、「薩摩の切支丹について」を発表
昭和四十二年(一九六七)七十一歳、メキシコ国立自治大学東洋研究所長であるクノート・ロータ氏の訪問を受ける。
昭和四十四年(一九六九)七十三歳、九州学院大学講師・歴史学担当、奄美の古代染織に付いて調査(前述)
昭和四十八年(一九七三)七七歳、『奄美染織史』(奄美文化研究所)
昭和五十一年(一九七六)八十歳、『南島今昔物語』(国書刊行会)。「染織と生活』」第十三号に、「奄美染織考―原始宗教ノロ神に発した奄美の染織文化について」を掲載。「日南切支丹史」を『南日本切支丹史』と改題して、国書刊行会より出版。
昭和五十三年(一九七八)八十二歳、『大島紬の染めと織り』(奄美文化研究所)
昭和五十四年(一九七九)八十三歳、戯曲『嶋の西郷と愛加那』(奄美文化研究所)
昭和六十二年(一九八七)九十一歳、七月二十日に老衰のため死去