価格
1980円(税込)
ページ数
234ページ
発行日
2025年1月23日
ISBN
978-4-86782-144-2
『創価学会教学要綱』と日蓮本仏論の考察
須田晴夫
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本書には「『創価学会教学要綱』の考察─仏教史の視点から」(2024年発表)と「日蓮本仏論の考察─宮田論文への疑問」(2016年発表、2024年加筆)の二編の論文、更に付論として「『教学要綱』に関する会長宛て書簡」と「男子部教学室『論考』への応答」を収録した。
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『創価学会教学要綱』が発刊されたのは2023年だが、その成立の背景には後者で取り上げた日蓮本仏論やアカデミズムを巡る問題がある。それ故、二編の論文が執筆された時点に八年の間隔があるが、内容的には強い関連があるので、二つを合わせて通読すれば問題をより深く理解していただけるものと思う。(本書「はしがき」より)
目次
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はしがき
第一部 『創価学会教学要綱』の考察―仏教史の視点から
ペーパーバックの「はじめに」
(1)日蓮は「釈迦仏の使い」か
(2)久遠実成の釈迦仏も迹仏
(3)法華経成立の意義
①法華経成立までの歴史
②法華経作成の目的
(4)日蓮が釈迦仏と法華経を宣揚した意味
(5)日蓮による下種仏法の確立
(6)日蓮滅後の日蓮教団―日興門流と他門流の相違
(7)日興門流の日蓮本仏論
(8)富士門流の変質
①僧侶の腐敗・堕落
②法主絶対論の形成
③戒壇本尊の虚構
④化儀の悪用と僧俗差別
⑤権力への迎合
(9)日寛による教義の体系化
(10)創価学会の歴史と日蓮正宗からの除名処分
(11)僧宝から日興を排除してよいか
(12)『教学要綱』における誤りと疑問点
(13)まとめ
付論1 『教学要綱』に関する会長宛て書簡
付論2 男子部教学室「論考」への応答
○ 法華経文上に囚われた『教学要綱』
○ 教団と教義を区別する必要
○ 仏の「教え」に勝劣があるのは明白
○『教学要綱』は改変教学の「集大成」
○「人法一箇」「久遠元初自受用身」は日蓮を神格化する用語ではない
○「論考」は日興門流の相伝書を否定
○ 文献のみでは奥底の教義は把握できない
○ 『教学要綱』の「日蓮本仏論」は言葉だけ
○ 法宝と僧宝に関する教義変更は明らか
○「一大秘法=南無妙法蓮華経」の解釈は無理
○ 説明責任を無視した『教学要綱』
○「教義の変更なし」の強弁は認められない
○「監修」の証拠を示せ
○ 透明性に欠ける『教学要綱』
○「名誉毀損」は見当違いの議論
○ 実名を示さないのは責任の回避
第二部 日蓮本仏論の考察―宮田論文への疑問
ペーパーバックの「はじめに」
(1)「本門の本尊」があれば日蓮宗各派の信仰にも功徳はあるか
(2)「功徳と罰」を主張することは誤りか
(3)近代仏教学との関連
(4)日蓮本仏論
①日蓮本仏論はカルトの理由となるか
②日蓮自身による日蓮本仏論
③日蓮が末法の教主(本仏)である所以
④日蓮が釈迦仏を宣揚した理由
⑤曼荼羅本尊の相貌に表れる日蓮の真意
⑥天台大師が示す教主交代の思想
⑦仏教の東漸と西還―仏教交代の原理
⑧上行への付嘱の意味―教主交代の思想
⑨真偽未決の御書について
⑩日興門流による日蓮本仏論の継承
(5)釈迦仏像の礼拝を容認すべきか
(6)学説が確かな根拠になりうるか
(7)自分の判断が一切の基準か
参考文献
著者略歴
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須田晴夫(すだ はるお)
1952年2月 東京都生まれ
1977年3月 東京大学法学部卒業
2012年2月 団体職員定年退職
著書
『新版 日蓮の思想と生涯』(鳥影社)2016年
『日興門流と創価学会』(鳥影社)2018年
『新版 生命変革の哲学―日蓮仏教の可能性』(鳥影社)2024年
『改訂版 新法華経論―現代語訳と各品解説』(アマゾン・ペーパーバック)2022年
『現代語訳 人生地理学』上下(アマゾン・ペーパーバック)2022年
『Mythos and Wisdom』(アマゾン・ペーパーバック)2023年
*『新法華経論』各品解説部分の英語版
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