HOME>飛鳥の暗号
価格
1980円(税込)ページ数
422ページ発行日
2016年2月24日ISBN
978-4-86265-552-3メディア
「別冊宝島古代史の15の新説」で紹介
飛鳥の暗号
野田正治
- 古墳の位置が葬られた
人物を示す暗号であり
蘇我聖徳の名が『日本書紀』の暗号であった……
今ベールを脱ぐ飛鳥の秘密! - 言霊という見えない言葉を信じていた日本列島人は、
古墳の位置に自らの名前を刻んだ。
逆に、『日本書紀』の見える文字には偽りを記載した。
それらは現代人には、もはや暗号のようだが、
ここに、そのベールが剥がされる。
目次
- はじめに
- [図1]斑鳩と飛鳥を結ぶ軸線
[図2]飛鳥の軸線 - 序章 「見える文字」と「見えない軸線」………………………………………………………31
- 日本列島人の空間意識が「見えない軸線」を生む 31
心眼に写る「見えない軸線」35
「見えない軸線」は「見えない言葉」 37
呪術と軸線 40
縄文にみる神の山への祈り 43
土偶の祈り 45 - 第一章 疑問と仮説の提示 ……………………………………………………………………………………49
- 1「乙巳の変」の真実を隠した『日本書紀』────────51
文字で書かれた『日本書紀』と「見えない軸線」 51
「乙巳の変」を隠した『日本書紀』 55
2「いわゆる藤原京」に先行する飛鳥京──────────59
飛鳥京の二つの南北軸 59
耳成山南北軸と「聖なるライン」 61
藤原京という名は後代の創作である 64
耳成山南北軸を中心とした飛鳥京 67
3 軸線が法隆寺を建立した人物を示している───────69
若草伽藍を建立したのは敏達大王である 69
丸山古墳と関係する梅山古墳の被葬者 76
古墳の法則──軸線で古墳の被葬者がわかる理由 78
4『日本書紀』の暗号──────────────────81
『日本書紀』を創ろうとした意図は何か 81
「蘇我聖徳」の意図 83
「稲目馬子蝦夷入鹿」の意味 85
天智・持統親子と藤原一族の行状 90
符合する蘇我氏と大王の在位期間 94
隠された敏達の業績と天智の出自 97
5 疑問と仮説─────────────────────102
『日本書紀』における疑問への対処 102
疑問と仮説の提示 103 - 第二章 斑鳩と飛鳥を結ぶ軸線……………………………………………………………………………109
- [図8]天智天皇崩御六七一年以前の軸線概略図
- 1 四天王寺―若草伽藍―橘寺―飛鳥寺を結ぶ軸線─────112
《軸線の事実》若草伽藍の五重塔はランドマークタワーであった 112
《軸線の意味》軒丸瓦の文様は紋章である 117
大野丘北塔と飛鳥寺を建立した人物 120
2 若草伽藍―梅山古墳の軸線──────────────126
《軸線の事実》法隆寺若草伽藍と西院伽藍 126
若草伽藍―梅山古墳二〇度の軸線 129
梅山古墳中心軸の角度 130
《軸線の意味》梅山古墳が檜隈坂合陵である理由 133
3 敏達の十字架────────────────────136
《軸線の事実》耳成山南北軸と梅山古墳―御破裂山の東西軸の交点 136
鬼の遺跡―上宮遺跡―法輪寺の軸線 139
上宮遺跡の位置 141
《軸線の意味》鬼の遺跡の被葬者 143
上宮遺跡の破壊痕跡 146
敏達大王の古墳が破壊された理由 148
4 舒明の軸線─────────────────────151
《軸線の事実》法輪寺―創建中宮寺―吉備池廃寺―御破裂山の軸線 151
舒明大王と三輪山―吉備池廃寺―巨勢寺の軸線 156
三輪山―山田寺―飛鳥板蓋宮の軸線 159
中尾山古墳―飛鳥板蓋宮―段ノ塚の軸線 162
段ノ塚―飛鳥板蓋宮―中尾山古墳―市尾墓山古墳―宮塚古墳の軸線 166
《軸線の意味》軸線と軒丸瓦が『日本書紀』の偽りを示す 169
御破裂山と藤原一族 171
舒明の宮殿 173
舒明が建立した法輪寺・百済大寺・山田寺・巨勢寺が示す継承順位 176
市尾墓山古墳と宮塚古墳の被葬者 178 - 5 斑鳩宮(夢殿)―高松塚二〇度の軸線─────────179
《軸線の事実》高松塚の位置 179
高松塚と斑鳩宮(夢殿)の関係 183
斑鳩宮の軒丸瓦 186
《軸線の意味》高松塚の謎 188
高松塚の被葬者 192
高松塚の築造時期 196
6 高松塚―藤ノ木古墳二三度の軸線───────────199
《軸線の事実》斑鳩の軸線 199
藤ノ木古墳の位置と築造年代 202
藤ノ木古墳と高松塚の関係 203
天武天皇の廣瀬、龍田の神祀り 207
持統天皇に引き継がれた神祀りと吉野行幸 209
《軸線の意味》藤ノ木古墳と御坊山古墳群の被葬者 211
キトラ古墳の被葬者の最期 214
7 法隆寺西院伽藍の軸線────────────────218
《軸線の事実》法隆寺西院伽藍と夢殿の位置 218
《軸線の意味》西院伽藍を建立した人物 220
西院伽藍の建築的意図 223 - 第三章 飛鳥の軸線…………………………………………………………………………………………………………229
- [図26]飛鳥の軸線略図 230
- 1 藤原宮南北軸と菖蒲池古墳──────────────231
《軸線の事実》藤原宮南北軸を設定した時期 231
菖蒲池古墳と川原寺 233
《軸線の意味》菖蒲池古墳の被葬者 238
2 持統と文武の十字架─────────────────240
《軸線の事実》持統の十字架 240
文武の十字架 245
《軸線の意味》束明神古墳と飛鳥稲淵宮 247
3 植山古墳の被葬者──────────────────248
《軸線の事実》植山古墳―マルコ山古墳―束明神古墳の軸線 250
本薬師寺―植山古墳―高松塚の軸線 254
大官大寺―植山古墳―牽牛子塚古墳の軸線 259
藤ノ木古墳と牽牛子塚古墳を結ぶ若草伽藍二〇度の軸線 265
《軸線の意味》天智天皇の葬られた場所と時期の謎 267
4 薬師寺の軸線────────────────────269
《軸線の事実》薬師寺の位置 269
《軸線の意味》本薬師寺と薬師寺の関係 272 - 5 斉明の軸線─────────────────────274
《軸線の事実》飛鳥板蓋宮―川原寺―吉備姫王墓―牽牛子塚古墳―真弓鑵子塚古墳の軸線 274
川原寺―定林寺―火振山古墳―高松塚の軸線 278
《軸線の意味》牽牛子塚古墳と吉備姫王墓の関係 279
天智や天武の母は誰か 282
6 岩屋山古墳の被葬者─────────────────283
《軸線の事実》岩屋山古墳の位置 284
《軸線の意味》岩屋山古墳は天武陵である 288
7 岩屋山古墳と結ばれる古墳群─────────────290
《軸線の事実》岩屋山古墳―向山一号墳―松山呑谷古墳の軸線 291
岩屋山古墳―出口山古墳―森カシタニ塚の軸線 293
岩屋山古墳―佐田二号墳―佐田一号墳の軸線 294
《軸線の意味》大津皇子の古墳から連想すること 295
8 藤原の軸線─────────────────────298
《軸線の事実》石のカラト古墳の位置が示す被葬者 298
赤坂天王山古墳の軸線 302
花山西塚古墳の軸線 305
ムネサカ一号古墳の軸線 308
《軸線の意味》藤原一族の軸線 309
『日本書紀』の暗号から見えてくる藤原不比等の野望 312 - 第四章 難波京と飛鳥京………………………………………………………………………………………………321
- 飛鳥京と中国「隋」の進攻 323
難波の「奥座敷」飛鳥京 326
難波京の成立時期 328
「難波より京に至る大道を置く」の意味 331 - 第五章 藤ノ木古墳の被葬者……………………………………………………………………………………335
1 藤ノ木古墳の背景──────────────────338
藤ノ木古墳―高松塚二三度の軸線が示す事実 338
薬師寺と藤ノ木古墳の関係 340
築造年代の疑問 342
被葬者の人骨鑑定 343
研究者が示す藤ノ木古墳の被葬者 345
法隆寺古文書にある藤ノ木古墳の被葬者 350 - 2 藤ノ木古墳の築造時期────────────────353
築造年代を測定する基準はなにか 354
石室の土器と古墳の築造時期の関係 358
家形石棺と刳抜式石棺の年代比較 361
仏像の光背と冠における唐草文様の比較 364
3 刀剣の置かれ方が示す被葬者─────────────366
刀剣の配置 366
刀剣は北側被葬者の持物 369
4 吉祥天像に描かれた藤ノ木古墳の副葬品────────370
筒型金銅製品の使用方法 370
履と髪形のファッション感覚 373
馬具の鞍金具把手が示す被葬者 375
足玉は女性の装身具である 377
帯にバックルがない理由 380
吉祥天像の髪飾り 381
5 季節が示す被葬者──────────────────384
天武天皇の風神・大忌神祀りの時期 384
植物化石が示す被葬者 386
- 終章 古墳の被葬者と仏教寺院の創建者……………………………………………………………389
仮説の証明 391
古墳の被葬者 393
軒丸瓦の変遷 395
仏教寺院の創建者 399 - おわりに…………………………………………………………………………………………………………………………………403
- 引用文献 411
引用写真 415
引用図表 418 - 明日香村遺跡図 420
年表 421
著者略歴
- 野田正治(のだ まさはる)
1947年静岡県富士市生まれ。
東京理科大学工学部建築学科卒。
東レ株式会社、雨宮建築事務所、丹下建三・都市・建築設計研究所を経て
ナウ環境計画研究所を設立して現在に至る。
東京理科大工学部建築学科、工学院大学建築学科、芝浦工業大学建築工学科の非常勤講師を務め、
現在、目白大学社会学部情報学科特任教授。
受賞 新建築国際住宅設計競技第一位吉岡賞、京都市主催国際設計コンクール「21世紀京都の未来」入賞など多数。
著書『文明のサスティナビリティ』『法隆寺コード』(三弥井書店)
HOME>飛鳥の暗号