拝啓、福田直樹様。
ボクがみた世界一のボクシングカメラマンの真実
尾藤貴志
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「彼の名は福田直樹、私の名は香川照之。ごく普通の2人はごく普通の小中高の同級生として出会い、ごく普通の社会人となりました。でもただ一つ違っていたのは—私たちは恐るべきボクシングマニアだったのです」俳優香川照之
- 世界的ボクシングカメラマン、福田直樹。
WOWOWの人気ドキュメンタリー番組・ノンフィクションWで『パンチを予見する男』と紹介され、世界で最も権威のある米国のボクシング専門誌『リング・マガジン』においては「UNDISPUTED CHAMPION(絶対王者)」と称され特集が組まれるなど、世界中のボクシングファンと関係者から絶賛を浴びる男である。
毎年多くのトップカメラマンがエントリーする世界的フォトコンテストにおいて、初エントリーから6年連続で入賞。しかも内4度が最優秀写真賞という快挙を成し遂げた、名実共に世界一と言われる男だ。
リング上での激闘をまるで瞬間冷凍したかのようにカッティングする技術はまさに圧巻だ。その並ぶものない驚異的なボクシング愛と卓越した眼によって1/1000秒の世界を支配する神業の起源を繙く為、ボクシング経験もある筆者が約500日をかけて福田直樹の道程を覗いた。
初公開となる撮影テクニックや、知られざる家族との関係、そして大親友・香川照之氏との出会いなど、筆者がみた知られざる真実を語る。
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《福田直樹/Naoki Fukuda 紹介》
東京都台東区出身。ボクシングカメラマン。
2001年にラスベガスへ移住し、全米各地で年間約400試合を撮影。パンチのインパクト、決定的瞬間をとらえる能力において並ぶものはなく、本場で極めて高い評価を受け続ける。
2008年には世界で最も権威がある米国の専門誌『リング・マガジン』にスカウトされ、同誌のメイン・カメラマンを8年間勤めた。
2010年から2014年にかけてBWAA(全米ボクシング記者協会)の最優秀写真賞を4度受賞という快挙を成し遂げる。
2012年のWBC(世界ボクシング評議会)フォトグラファー・オブ・ザ・イヤーにも選出されている。
俳優の香川照之氏とは小中高を通しての同級生で、幼いころからのボクシング・マニア仲間。
目次
- はじめに
第一章 出逢い
第二章 ルーツを追う
第三章 アナザースカイ
第四章 浅草橋─葛藤・事件─
第五章 福田直樹の流れ
第六章 ラスベガス─苦悩の階段─
第七章 娘へ─奇跡─
第八章 福田直樹解剖
第九章 ボーナスステージの先に
本書に寄せて 福田 直樹
著者略歴
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尾藤貴志
1976年2月10日生まれ。大阪府出身。東京都在住。
ボクシングファンであり、自身も大阪帝拳ジム等でトレーニング経験あり。
本業は建築関係の会社員であるが、20代から映画脚本や上映会などの活動を行う。
今回、脚本以外で本格的に執筆に取り組み、本作が処女作となる。