価格
2420円(税込)
ページ数
412ページ
発行日
2017年4月19日
ISBN
978-4-86265-609-4
東西を繫ぐ白い道
森 和朗
- 原始仏教からトランプ・カオスまで
宗教も政治も一筋の道に流れ込む
壮大な歴史のドラマ
- 世界が直面する二河白道を辿る
目次
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出発点
序 章 二本の道と一つの橋
〈一〉 善導への道 ―遥かなる浄土
〈二〉 エズラへの道 ―幻のエルサレム
〈三〉 ゾロアスターによる架橋 ―橋のイメージと機能
第二章 思想と物流の出会いの場
〈一〉 千の都市のバクトリア ―ラクダと馬と自由と
〈二〉 クシャーン朝の妙なる輝き ―仏教と中国とローマと
〈三〉 浄土教の誕生 ―幻視の中の現実
第三章 東方への道
〈一〉 善導から法然へ ―自力による悪の克服
〈二〉 他力に賭けた親鸞 ―煩悩の海をどこへ漂流するか
〈三〉 生きのびたマニ教 ―ソグド人の活躍を追って
第四章 西方への道
〈一〉 キリスト・イエスの復活 ―廃墟に蒔かれた一粒の種
〈二〉 神の帝国 ―栄光の中のキリスト
〈三〉 新しいエルサレム ―ヨーロッパの征服
第五章 暴走と逆行
〈一〉 本願寺王国 ―権力になった絶対他力
〈二〉 軌道修正の試み ―正三と尊徳
〈三〉 絶対善の恐怖 ―悪魔と魔女に憑かれて
〈四〉 常識の復権 ―ヴォルテールとヒューム
第六章 激突への道
〈一〉 地球制覇の野望 ―膨脹する大英帝国
〈二〉 太平洋を超えたフロンティア ―驀進する大米帝国
〈三〉 なりふり構わぬ追撃 ―もう一つの「明白な使命」
〈四〉 自らはまった罠 ―日本人が払った傲慢の代償
第七章 道の彼方に
〈一〉 憎悪と絶望からの協調 ―素晴らしい新世界か?
〈二〉 覇権なき覇権 ―中心を欠いた世界
〈三〉 接近する二つの大陸 ―中国による王朝交代はあるか
終着点としてのあとがき
註
著者略歴
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森 和朗(もり かずろう)
昭和12(1937)年、名古屋市生まれ。
名古屋大学経済学部卒。
NHKで報道番組などを担当。国際局チーフ・ディレクター、日本大学芸術学部文芸学科講師などを経て、現在フリー。
著書として
『たそがれのキッチュ日本』(かや書房)
『マルクスと悪霊』(勁草書房)
『ドストエフスキー 闇からの啓示』(中央公論社)
『虚仮の島』(近代文芸社)
『仮象の迷界』(D文学研究会)
『吸金鬼ドルキュラの断末魔』(本の風景社)
『神と科学と無』
『自我と仮象第Ⅰ部』
『自我と仮象第Ⅱ部』
『自我と仮象第Ⅲ部』
『自由の破局』
『甦る自由の思想家 鈴木正三』
『黄金を食う神』
『漱石の黙示録』(以上鳥影社)
などがある。