
価格
1980円(税込)
ページ数
206ページ
発行日
2017年7月12日
ISBN
978-4-86265-620-9

詩集 沈黙の絶望、沈黙の希望
常本哲郎
- 沈黙をテーマに、繊細な感性でこころの痛みをみつめ、喪失感を歌った詩の数々。本書で紡ぎだされる魂の流れは、読み手のこころに寄り添い、やがて希望の光を灯すだろう。この詩が、精神に障害を負った詩人から生み出されたことは驚くべきことである。
- 発症してから、今年で二十七年が過ぎようとしています。
二十七年。長い歳月です。
この本は、ひとりの統合失調症患者であるわたしが、どうすれば生きる価値が見いだせるかを問うた記録を編纂したものになっています。
わたしの永遠に未熟なことばたちが、あなたのこころに届くことを祈り、序文とかえさせていただきます。
(「序文」より)
著者略歴
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常本 哲郎(つねもと てつろう)
1974年札幌生まれ。県立千葉高在学中に統合失調症を発症。
千葉大学へ進学するも卒業間際に病状悪化のため中退。
障害者向けの作業所やパソコンスクールに通う。
一般企業に勤めるが、仕事をこなすことが困難となり退社。
三十七歳のとき結婚。妻は本書の装丁画と挿絵を手がけた倉田真奈美。
妻も精神に障害を負っている。
医学専門誌『精神科看護(Vol.288-290)』に随筆を掲載。
十代の頃より書き溜めた現代詩をこのたび刊行。