
価格
1650円(税込)
ページ数
172ページ
発行日
2017年7月12日
ISBN
978-4-86265-625-4

ロシア旧教徒の村 ロマノフカ
源 元一郎
- 五族協和の満州帝国に華ひらいた村
東シベリアを放浪し、行きついた沿海州もコミュニストに追われ、たどりついた地、ここで新しくつくりあげた理想の村、世界に一つしかない楽天の地があった。
- 毎朝、私はビヤ樽のような腹をしたロシアのおばさんが牛の乳をしぼるのを横目に、学校に通った。
街には白系ロシア人の食堂や喫茶店、それにパン屋や雑貨店などがあって、白系ロシア人の生活が自然に日本人の中に混入していた。
(「はしがき」より)
目次
- はしがき
一 ロマノフカ村への道
夜明け前
天変地異
リューリク王朝(八六二〜一五九八)誕生
ギリシア正教・ルーシの国教に
タタールの軛
第三のローマ・モスクワ
ルーシからロシアへ
ロマノフ王朝へ
ロシア正教会・ニコンの典礼改革
ロマノフ王朝・国家と宗教
東シベリア・沿海州の旧教徒
ロシア帝国のシベリア鉄道
満洲帝国・北満鉄道を買う
沿海州・ロシア旧教徒の逃避行
二 ロマノフカ村
ロマノフカという名
東シベリアの旧教徒に開かれた新天地
カルーギン四兄弟の願書
日本人の関心をよぶ
ロマノフカ村全景と村づくり
ぞくぞくと信仰の村に集る
住・イコンにまもられて
村の信仰生活
なりわいと信仰
農耕
牧畜
養蜂
狩猟
虎狩り
虎を追跡する
足跡を発見
虎を捕まえる
恐怖の格闘
動物園で
虎狩りの話
匪賊とロマノフカ村
衣・中世風の装
食・信仰と共に
楽園の消滅
あとがき
参考書目
著者略歴
-
源 元一郎(みなもと げんいちろう)
昭和9年(1934年)生まれ。
奇しくもこの年、満帝国建国(康徳元年)。父に従って満州に渡る。
少年時代、白系ロシア人、満族、漢族、蒙古族とともに暮らす。
昭和20年(1945年)、日本の敗戦により斉斉哈爾に避難し、昭和21年10月8日、胡廬島を経て、九州・博多に上陸、帰国する。
博物館学芸員の資格を、佛教大学で取得する。中国、明代・清代の書、畫を研究。
著書
『赤い夕陽よ』(2003年 鳥影社)
『荀彧』(2014年 鳥影社)
『昭和20年8月17日』(2015年 鳥影社)