価格
1540円(税込)
ページ数
242ページ
発行日
2018年3月16日
ISBN
978-4-86265-664-3
サトコと里子
柘植由紀美
- 「行為のスタイル」が「存在のスタイル」でもある世界をめざして
日本にいるサトコは職場での軋轢にもがき、イタリアを旅する里子はトリノという文学の磁場で模索する。
二つの連作と屋根裏部屋の「私」の呟きが交錯する短篇集。
- 連作短篇集
- 私の意志と行為と第三者の目の中の私とが、永久に三様にズレつづける私という存在の滑稽さ。そこから醸し出されるコミカルな私の在りようなのだが、私の救いは、実はそのコミカルさにこそある。(プロローグ『屋根裏部屋にて』より)
目次
-
プロローグ 屋根裏部屋にて —「サトコ」と「里子」の間—
漂う
ボローニャと里子
小さな権力者
トリノと里子
標示板
サン・レモと里子
大部屋
不在の街
カスミ草
宙の隠者
あとがき