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価格
3740円(税込)
ページ数
638ページ
発行日
2018年7月10日
ISBN
978-4-86265-673-5
表現主義戯曲/旧東ドイツ国家公安局対作家/ヘルマン・カントの作品/ルポルタージュ論
酒井 府
- 本書は「表現主義の戯曲」「シュタージと作家達」「ヘルマン・カント」「ルポルタージュ論」などをテーマに、作家達の多様な営為を広い視野のもとに論じる大作。
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長年の研究成果の集大成
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この本で論じられているのは大きく分けて四つの問題である。第1はゲオルク・カイザーの主要作品を中心に表現主義の戯曲の具体的分析である。第2は東ドイツ国家公安局と東ドイツの作家達との確執。そして第3はほとんど論じられなかったヘルマン・カントの思考と作品をめぐる論考。最後に新即物主義とルポルタージュ論を展開する。
目次
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(一)表現主義戯曲研究
ゲオルク・カイザー『ガス第一部・第二部』 ―悲劇的喜劇から喜劇的悲劇へ―
ゲオルク・カイザー『朝から夜中まで』―不条理な努力と自己救済としての死―
ゲォルク・カイザー『ユダヤの寡婦』と『カレーの市民』―キリスト的救済者と小市民的救済者=反逆者―
ゲオルク・カイザー『道化の国王』=『手錠の国王』と『生徒フェーゲザック事件』―幻想的変身願望と体制回帰。救済者は生まれたか?―
ゲオルク・カイザー『一八九七年一月二日のクリスマス舞踏会への軽歌劇』『ファオスト』『国王ハインリヒ』―新しき衣裳を纏う古き芸術より、「新しき軌道を走る」芸術へ―
A. Döblinの„Lydia und Mäxchen“―反演劇の到着点は予測できるか?―
A. Döblinの『伯爵令嬢ミッツイ』―遊女崇拝による婚姻制度の否定?―
E. Barlachの『死せる日』―自立し得ぬ息子のブルジョアジーとしての蹉跌―
W. Hasencleverの『息子』―現実の変革なしに、父への反逆に終始した息子の自立―
(二)シュタージ(東ドイツ国家公安局)対東の作家
Manfred Krugの „Abgehauen“ をめぐって
Manfred Krugの„Abgehauen“の「日記」をめぐって
『ベルリン物語集』と国家公安局
『ベルリン物語集』作品論
(三)Hermann Kantの作品論
ヘルマン・カント『青銅の時代』―普通の市民の冒険―
ヘルマン・カントの作品に於ける小市民像―作品集『第三の釘』をめぐって―
ヘルマン・カントの作品に於ける小市民像―作品集『青銅の時代』をめぐって―
ヘルマン・カントの作品に於ける小市民像―『総計』をめぐって―
ヘルマン・カントの„Abspann“をめぐって
ヘルマン・カントの„Kormoran“をめぐって
(四)ルポルタージュ論
ルートヴィヒ・レンとルポルタージュ―『戦争』をめぐって―
ルートヴィヒ・レンとルポルタージュ―『戦後』をめぐって―
ノイエ・ザハリヒカイトとルポルタージュ
著者略歴
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酒井 府(さかい・おさむ)
1934年東京生まれ。
早稲田大学独文専修修士課程、東京都立大学独文専修博士課程修了。
獨協大学外国語学部名誉教授。
専攻 近現代ドイツ文学。
著書
『ドイツ表現主義と日本─大正期の動向を中心に』早稲田大学出版部、2003年。
訳書
『アンネ・フランク、最後の七カ月』ウィリー・リントヴェル著、共訳・酒井明子、徳間書店、1991年、他。
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