HOME>海を見つめる画家たち(Ⅱ) —近現代日本洋画に捧げたその生涯—
価格
2090円(税込)
ページ数
282ページ
発行日
2019年1月23日
ISBN
978-4-86265-704-6
マスコミ掲載・書評
千葉日報で紹介
海を見つめる画家たち(Ⅱ) —近現代日本洋画に捧げたその生涯—
大久保守
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外房の小さな漁村に生まれ育った元公立美術館学芸員が、洋画家たちの波瀾に満ちた生涯を愛惜こめて語りかける。
目次
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はじめに
金 山 平 三
〔《夏の内海》が文展特選に/ヨーロッパ遊学の収穫は/自然を友とし、孤高の道へ〕
大 久 保 作 次 郎
〔順境で育ち、画家を志す/パリ画壇から受けた影響/ただ一筋の道を歩んだ画家〕
曽 宮 一 念
〔奔放な画風で海を描く/自然と語らい、制作に励む/失明して画家は廃業、だが・・〕
多 々 羅 義 雄 …
〔青木繁と出会い、絵の道へ/房総に親しみ、在野で後進を育てる〕
村 山 槐 多
〔才にせき立てられた生涯/熱き思いを切々と描く/命のある限りこの海を・・〕
山 本 鼎
〔木版職人から洋画の世界へ/『方寸』を創刊、だが失恋して渡欧/帰国後は美術啓蒙運動に励むが〕
今 関 啓 司
〔画道探究に励んだ生涯/晩年は故郷の山野を巡る〕
石 井 光 楓
〔今よみがえったある渡欧画家の軌跡/水彩画が国立美術館へ収蔵される〕
牧 野 虎 雄
〔《朝の磯》で文展初入選/流麗に描き、装飾的美しさに到達 /ひたすら「日本的油絵」を追求 〕
前 田 寛 治
〔自然豊かな鳥取で生まれ育つ/前田がめざした「写実」とは/海への郷愁を胸に抱きつつ〕
板 倉 鼎
〔松戸で育った悲運の洋画家/夢なかば、華のパリで逝く〕
萬 鐵 五 郎
〔あまりに大胆な卒業制作/絶えず新しい作風を模索/湘南の海浜で心安らぐが〕
渡 邊 百 合 子
〔温かさ伝わるその画面/女流洋画家のさきがけ〕
岸 田 劉 生
〔海を予感させる大空の色/写実に徹し、ひたすら描く/内なる「深き美」を求めて〕
椿 貞 雄
〔岸田劉生の作品に感動/師の思いを胸に我が道を/愛情こめて万物を描く〕
古 賀 春 江
〔大海のイメージを背景に/多様に変化したその画風/シュルレアリスムの旗手〕
無 縁 寺 心 澄
〔自然豊かな千葉郊外で育つ/千葉市内を独特なタッチで〕
倉 田 白 羊
〔佐倉ゆかりの浅井忠に師事/南房総の館山に移り住む/信州上田で作風を深める〕
三 岸 好 太 郎
〔北海道が産んだ異色の画家/さまざまな画風を試みる/白昼夢の世界に遊ぶ〕
児 島 善 三 郎
〔静寂の中に悠久なるものを/「日本人の油絵」を探究/神厳な生命に充ちた画境へ〕
円 城 寺 昇
〔北総に生まれ、芸術の道へ/海の岩礁を躍動的に描く〕
中 川 一 政
〔岸田劉生に励まされ画家へ/ゴッホやセザンヌに感動/港の突堤が私のアトリエ〕
関 根 正 二
〔二十歳で逝った薄幸の画家/河野通勢らに影響を受ける/ロマンに満ちた作品を遺す〕
牛 島 憲 之
〔自然を見つめ、画風を育む/身近な風景を造形化して/悠久な時が流れる画境へ〕
大 野 隆 徳
〔海のかなたへ憧れる/夢なかば、戦災のため没す〕
原 勝 郎
〔画家をめざして海外に雄飛/憧れたパリの空の下で/故郷の山野を慕う画境へ〕
長 谷 川 利 行
〔謎に包まれたその前半生/荒々しくも哀愁漂う画面/酒乱、奇行の果てに逝く〕
藤 島 武 二
〔黒田清輝の信頼厚く/大正ロマンの先駆けとして/風景画で新たな境地へ〕
櫻 田 精 一
〔青年期までを韓国で過ごす/自然の息吹をキャンバスへ〕
大 下 藤 次 郎
〔房総を訪れ、自然美に感動/水彩画家として身を立てる/日本的な風景を求めて〕
小 堀 進
〔水郷潮来に生まれる/水彩連盟の結成に加わる/明快な色面、大胆な構図〕
海 老 原 喜 之 助
〔眼前に桜島を見て育つ/パリで学び得たものは/帰国後も造形一筋に〕
中 西 利 雄
〔幼年期から水彩に親しむ/西欧で絵画的精神を学ぶ/新しい水彩画をめざして〕
遠 藤 健 郎
〔旅順で出生、そして千葉へ/戦後社会を直視して描く〕
山 谷 鍈 一
〔千葉の商家に生まれ育つ/房総の海をこよなく愛して〕
石 川 寅 治
〔画家を志し、高知から上京/晩年まで衰えぬ制作意欲〕
英文要約 Painters Fascinated By The Ocean (II), Reviewing Their Art Work And Life
あとがき
著者略歴
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大久保守(おおくぼ まもる)
昭和23年(1948)千葉県に生まれる。
昭和46年(1971)上智大学文学部新聞学科を卒業。
昭和48年(1973)千葉県教育委員会文化課に勤務。
昭和49年(1974)この年秋に開館した千葉県立美術館で学芸員として17年間勤務し、展覧会の企画・開催や作品収集にあたる。この間、房総の美術史に関連した画家や作品の研究に励む。
その後、千葉県内の県立博物館(上総博物館、房総のむら、中央博物館、中央博物館分館海の博物館)に研究員として勤務する。
平成24年(2012) 公務を定年退職。
近著には、『海を見つめる画家たち-近代日本洋画の青春を追って-』(平成18年、鳥影社)がある。
千葉県勝浦市に在住。
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