HOME>モーリッツとその同時代人たち —ドイツ啓蒙主義・古典主義・初期ロマン主義
モーリッツとその同時代人たち —ドイツ啓蒙主義・古典主義・初期ロマン主義
山本惇二
- わが国で未開拓の研究領域に果敢に挑戦した労作
近年、ドイツで再評価の顕著なカール・フィリップ・モーリッツの業績を論じた渾身の2500枚! 久しく忘れられていたモーリッツは、実際には十八世紀末のドイツで、古典主義および初期ロマン主義に多大な感化を及ぼし、時代思潮に大きく関与していたことを論究。
- 「モーリッツは、実際とても好ましい人物です。何かを企てると、いつもそのことに真正面から取り組みます。彼はほんとうに、数多くの事柄に対して誠にすばらしい才能を具えています。」(ゲーテ)
目次
- まえがき
序 論 モーリッツの美学・芸術思想とその萌芽
1.モーリッツの著作
2.モーリッツの美学・芸術思想の基調
3.モーリッツの美学・芸術思想の前形成
第一部 モーリッツとその先学たち
―ドイツ啓蒙主義時代の諸相との関わり
第一章 ベルリン啓蒙主義とモーリッツ
1.ベルリン啓蒙主義思想の受容
2.ジャーナリストとしてのモーリッツ
3.後期ベルリン啓蒙主義からの離反
第二章 メンデルスゾーン思想の受容
1.メンデルスゾーンの薫陶とその思想
2.モーリッツの芸術論への感化
3.「汎神論論争」とモーリッツ
第三章 ヘルダー思想の受容
1.ヘルダーの芸術思想
2.モーリッツの芸術論への感化
3.ヘルダーの認識論と『経験心理学雑誌』
第四章 造型芸術思想の受容と批判
1.モーリッツと造型芸術
2.ヴィンケルマン思想の受容と批判
3.ハインゼの芸術思想との関わり
第五章 文芸作品の受容と批評
1.レッシング作品の受容と批評
2.詩的作品の受容(クロップシュトック、ヘルティーなど)
3.散文作品の受容(ヴィーラント、ゲスナーなど)
第六章 外国文学・思想の受容
1.ルソーとモーリッツ
2.イギリス文学の受容(シェイクスピア、ポープなど)
3.イギリス美学・芸術論の受容(ホガース、シヤッフツベリ)
第二部 古典主義とモーリッツ
第一章 ゲーテとモーリッツの邂逅
1.モーリッツの『ヴェルター』体験
2.ローマにおける美的体験の類似性
3.「思考形式」の同質性
第二章 ゲーテの作品とモーリッツ
1.『タッソー』とモーリッツ
2.『修業時代』と『アントン・ライザー』
3.イタリア旅行後の美学小論文
第三章 ゲーテの美学・芸術思想とモーリッツ
1.ゲーテの美的自律性思想
2.「諦念」思想の共有
3.初期古典主義思想の形成
第四章 シラーの作品とモーリッツ
1.シラーとモーリッツの出会い
2.文学作品との関わり
3.美学論文との関わり
第五章 シラーの美的自律性思想
1.思想詩『芸術家たち』
2.美的自律性思想の展開
3.『人間の美的教育について』とモーリッツ
第六章 その他の同時代人とモーリッツ
1.イフラント
2.バーゼドゥ
3.カムペ
4.ハイデンライヒ
第三部 初期ロマン主義とモーリッツ
第一章 ヴァッケンローダー
1.非合理主義への目覚め
2.初期ロマン主義の芸術思想形成
3.音楽美学論とモーリッツ
第二章 ティーク
1.ヴァッケンローダーとの友誼
2.『ウィリアム・ロヴェル』と「経験心理学」
3.芸術家小説『フランツ・シュテルンバルト』
第三章 アウグスト・ヴィルヘルム・シュレーゲル
1.シュレーゲル兄弟とモーリッツ
2.「ミメーシス」の超克
3.ベルリン講義の問題性
第四章 フリードリヒ・シュレーゲル
1.『ルツィンデ』と『アントン・ライザー』
2.『ギリシァ文学研究論』と美的基準
3.「古い神話」の価値評価
4.美の「批評」とモーリッツ
第五章 シェリング
1.『芸術哲学』の神話思想とモーリッツ
2.「アレゴリー」から「象徴」へ
3.「魂の可視化」と表出論
第六章 ノヴァーリス
1.「夜の讚歌」の系譜
2.「夢の知らせ」の作品化
第七章 ジャン・パウル
1.モーリッツとの出会い
2.『見えないロッジ』と『アンドレアス・ハルトクノップ』
3.『美学入門』における「自然模倣」の考察
結 語 モーリッツ思想の同時代人への感化
註
あとがき
引用文献 略記号一覧表
文献一覧
索引(人名・書名)
ドイツ語要約[Zusammenfassung]
HOME>モーリッツとその同時代人たち —ドイツ啓蒙主義・古典主義・初期ロマン主義