HOME>藤本卓教育論集 –〈教育〉〈学習〉〈生活指導〉–
価格
3960円(税込)
ページ数
468ページ
発行日
2021年5月25日
ISBN
978-4-86265-886-9
藤本卓教育論集 –〈教育〉〈学習〉〈生活指導〉–
藤本 卓
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子どもは、大人に教育されるだけでは育たない。
竹内常一の生活指導論を読みひらき提唱した〈教育のレトリック〉論、〈世代の自治〉論などを提唱した20世紀論稿。城丸章夫と柳田國男を重合し、教育課程の全体構造を捉えんと、壮大な《〈教育〉〈学習〉の並行シェーマ》の構築へと向かう21世紀論稿。
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《藤田省三、丸山真男、アリストテレス、三木清、マキアヴェリ、ポッブズ、ハーバーマス、マクファーソン、ブレヒト、シクロフスキー、バフチーン、竹内常一、宮坂哲文、玉野井芳郎、庄司興吉、久野収、ハンナ・アレント、北嶋美雪、関廣野、福田アジオ、柳田國男、矢吹省司、大田堯、大江健三郎、R・ベスト、藤田英典、城丸章夫、O・ルブール、……》らとの思想的対話を繰り広げ、生み出された教育哲学の結晶がここにある。
目次
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はしがき
〈教育〉〈学習〉の並行シェーマ図
第一部
悦ばしき〝 学び〟 、か?─柳田國男における「マナブ」と「オボエル」の対照のトポスについて─
〝パストラル・ケア〟、その叢生と褪色─英国公教育に〝生活指導〟の似姿を垣間見る─
〈教え〉と〈育て〉のメタ・カリキュラムに向けて─戦後教育基礎論を〝柳田國男〟で賦活する─
フランス語に「学習」という言葉は存在するか?─ Apprendre / Apprentissage という語の理解について─
〝懐かしい言葉〟になり逝くか?─教育学〈術語〉としての「生活指導」の向後について─
「憶える」と「覚える」の区分について─〝オボエル〟という語の漢字交じり表記に関するメモランダム─
第二部
〈制作(ポイエーシス)〉と〈実践(プラクシス)〉
その㈠
その㈡
その㈢
生活指導実践は「学校」を問う──運動史に関わる若干の考察から──
共同の世界に自治と集団の新生をみる─〈公〉でも〈私〉でもない〈共〉と〈協〉について─
教育のレトリックの方へ─「竹内=生活指導論」の誘い
〈教育のレトリック〉のために
①久野収の着眼を起点として
②もう一つの「思考の仕方」
③レトリックと「相互説得」
④「生活の言葉」とレトリック
〈世代の自治〉の再発見へ
教育と世代間関係の問題
解題
著作一覧
年譜
付録・《並行シェーマ》とは何か
著者略歴
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藤本 卓(ふじもと たかし)
1950年兵庫県生まれ。
大東文化大学文学部教育学科名誉教授。
70年代初め、神戸大学教育学部で、自主ゼミナール運動のリーダーとして活動。
東京大学大学院教育学研究科へ進み、教育哲学を専攻する(博士課程単位取得満期退学)。
80年代半ばから全国高校生活指導研究協議会の常任委員として精力的に活躍し、〈教育のレトリック〉、〈世代の自治〉論などを提唱した。
1992年より大東文化大学に勤務、大学教育実践家として、学生たちに公開ゼミ、映画会、講演会などを企画・運営させることを続ける。
日本教育学会、日本生活指導学会、全国高校生活指導研究協議会(常任委員)。
共著に『学校の再生をめざして』1巻、3巻(東京大学出版会、1992年)、
編著に『登校拒否・不登校』(一葉書房、1993年)、『公論よ起これ! 「日の丸」「君が代」』(太郎次郎社、1999年)、
翻訳書にウェンディ・ウォラス著『あきらめない教師たちのリアル ロンドン都心裏、公立小学校の日々』(太郎次 郎社エディタス、2009年)などがある。
2020年3月逝去。
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