価格
1540円(税込)
ページ数
344ページ
発行日
2021年7月15日
ISBN
978-4-86265-899-7
疾走の果てに
神宮清志
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かつて栄華を誇った
名家没落のあと 波乱万丈の人生をいま、ふり返る
これは、真実の物語
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地獄には「無間疾走」という地獄があると聞く。全力疾走し続けなければいけない、という責め苦がそれである。わたしの青年期はまさにそれだった。食うために働く、大学で学ぶ、社会運動に命を懸ける、この三つにすべて打ち込んで一瞬たりとも休むこともなかった。その結果はどうなったか……。(「はじめに」より)
目次
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はじめに
祖父のこと
僧侶から神官へ
時流に乗る
その家族たち
さらに遡ると
祖父亡きあと
関係修復して今に至る
父のこと
四八年の生涯
高等教育を受けたばかりに
学者にして岳人
落ちた偶像
幼年時代
敗戦の頃の日々
船橋に引っ越して
敵機来襲
「寺子屋教育」始まる
八月一五日
敗戦直後の日々
学校が再開されて
飢えに苦しむ
極貧の中で
野球・映画・遊び
中学生のとき
新鮮なスタート
大人に近づく
高校生活
入学
定時制へ
学徒援護会
レンズの研磨工
サークル緑の会
町の印刷屋
高校四年
人形作家
キャバレー・ナイトクラブというところ
はじめに
1、キャバレー「カサブランカ」
自然の成り行きで
店で働く者たち
ボーイの仕事
キャバレーのプロ
2、クラブ・ラミにて
ナイトクラブというところ
店の人たち
安藤組の幹部たち
よき時代だった
大学・松川裁判・疾走の果てに
法政大学文学部へ入学
松川裁判
全力疾走の果てに
鉄格子の向こうの別世界
タブーを見直す
疲れ果てた末に
暗夜から黎明へ
電気ショック
院内をうろうろ歩いて
患者と言ってもいろいろ
ヤクザたち
天使たち
肉体労働のたまもの
回復に向かって
これでよかったのだ
バセドウ病がもたらす奇想奇行
略奪された名画の行方
マラルメ先生のマザーグース
『収容所群島』から学ぶもの
心筋梗塞からの帰還
緊急入院
長年の懸案
悔いるばかり
彼は昔の彼ならず
最期のときが見えた
再入院
同室者たち
明日をも知れぬ命
あとがき
著者略歴
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神宮 清志(じんぐう きよし)
1937年 東京で生まれる。
法政大学文学部卒業。
慶應義塾事務職員として定年まで勤務。
能面師として能面教室を主宰。個展四回。
随筆「蕗の会」、電子書籍「風狂の会」会員。
著書に『仙游小舎の日々』(牧歌舎刊)がある。