HOME>創作入門 ─小説は誰でも書ける 小説を驚くほどよくする方法

価格
1980円(税込)
ページ数
246ページ
発行日
2021年8月2日
ISBN
978-4-86265-910-1
マスコミ掲載・書評
朝日新聞で紹介
北海道新聞で紹介

創作入門 ─小説は誰でも書ける 小説を驚くほどよくする方法
奥野忠昭
- 長年の創作活動、物語学(ナラトロジー)研究、小説指導に基づく小説を書くための基礎理論とテクニック
自らも芥川賞候補2回や文学賞の受賞歴のある創作者であり、大阪文学学校で42年にわたり小説講座を指導し、多くの作家を送り出してきた筆者。長年の創作経験と指導経験に基づくその創作理論を、実例を示すことで実践的でかつ分かりやすく提示する。初心者にもベテランにも役立つ一冊。
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小説のきまりはなにも難しいことではない。意図的に訓練すればすぐにでも身につくものである。
しかし、それを知らないために、初心者だけではなく、同人誌などで活躍している人の中にも、
持っているすばらしい感覚や発想力や想像力を十分に生かし切れていない人が多くいる。
しかも、その人たちに読んでもらいたい参考書がない。(中略)
そこで、意を決してこのような本を出版することにした。(本書「序」より)
目次
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序
第一章 小説の特色
1 小説を書くと、どのようないいことがあるのか?
─誰でも小説は書けるし、書いて欲しい
2 小説と体験記との違い
─体験を小説にしたいがどうすればいいのか?
3 小説と映像的作品との違い
─映像慣れした人にぜひ注意してもらいたいこと
第二章 発話者と視点
1 小説は作者が書いているのではない
2 視点の決定は、誰が、いつのことを、どこから発話するのか? を決めること
─視点のあり方が小説のタイプを決める─
描写型・実況型か、回想型・物語型か
3 過去のことを、途中で今起こっているように描いてもいいのか?
─過去のことを描くときの、歴史的現在と描写的現在について
4 視点でよく起こすミス
─視点はいったん決めたら最後まで変えないこと
5 視点には変種がある
─変種を使う場合は、はっきりとした理由のある場合に限る
よほど気をつけて使おう
第三章 言表の方法
1 「描写」とはどういう描き方なのか?
─具体的に書くだけで「描写」だとは言えない
また 「えせ描写」というまがいものまである
2 「描写」でよくするミスとその訂正
─描写の法則に基づいて描くとこんなにも読みやすくなる
3 「語り」とはどういう描き方か?
4 「具体的語り」「歴史的現在」「描写的現在」の違いとは?
5 「描写的語り」とは、どういう描き方か?
6 「描写」と「語り」のよさと弱点
─よさを生かし、弱点を克服する方法は?
7 「説明」の入れ方を間違えば文章をだいなしにする
─解説的説明、概説的説明の入れ方
8 「比喩」を大いに使ってみよう
─新しい比喩についての考え方とは?
9 書き出しの描き方とは? 言語理解とコンテクスト
─冒頭部や章の書き出しのミスが小説に致命傷を与える
第四章 筋・プロットについて
1 筋を考える基礎としてぜひ知っておいて欲しいこと
─「動き・運動」「出来事」のそれぞれの特徴
2 これだけを考えて小説内世界を描けば、自ずと筋は生まれてくる
─小説の筋を「ストーリー」と考えてはいけない
3 筋に直接関わる三つの要素とその関係
─外部の出来事、行為、内部の様態
4 事件中心の筋の描き方
5 行為中心の筋の描き方
6 内部中心の筋の描き方
7 小説における一般的な筋
─「謎掛け─謎解き」の筋、および「問題─問題解決」の筋
8 筋の結末の描き方
─どんでん返しの方法はよく考えて
9 筋を発生させる源泉
10 筋に直接・間接に関わる人や出来事とは?
第五章 主題
1 筋と主題、およびメッセージとの関係
─小説には必ず主題がなければならないのか?
あとがきに代えて ─本書の利用のために
主な引用文献・参考文献
著者略歴
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奥野 忠昭(おくの ただあき)
1936年 大阪府岸和田市に生まれる
1960年 大阪学芸大学卒業
1981年 大阪教育大学大学院(国語科教育学専攻)修士課程修了
元和歌山大学教育学部教授
1965年 「煙へ飛翔」で日教組文学賞を受賞
同作品で第61回芥川賞候補
1970年 「空騒」で第63回 芥川賞候補
1977年 「姨捨」で神戸文学賞受賞
著書
短編小説集『煙へ飛翔』(一ツ橋書房刊)
短編小説集『舟が見えてもいい』(創樹社刊)
短編小説集『電車ともだち』(大阪文学学校・葦書房刊)
評論集 『日常を超える闘い ─日野啓三論』(ドット・ウィザード刊)
解説書 『これだけを知っていれば小説は見違えるほどよくなる』(大阪文学学校・葦書房刊)

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