価格
2200円(税込)
ページ数
324ページ
発行日
2021年11月12日
ISBN
978-4-86265-930-9
詩歌往還 遠ざかる戦後
松林尚志
- 俳句や詩作の傍ら、芭蕉など古典研究を積み重ねてきた著者。卒寿を越えて、詩歌全般にわたる埋もれた貴重な労作を集録すると共に、回想記を添える。
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曲折のあった戦後の長い歩みであったが、この間に書いてきたものを読み返しながら熱い時代の甦るのを覚えた。しかし多くの方が泉下に赴き戦後は遠ざかるばかりである。(あとがきより)
目次
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詩のザインとゾルレン
村野四郎の詩「鹿」をめぐって
村野四郎の俳句
孔雀の飢え―村野四郎論のために―
二人の詩論から
詩的想像力についての覚書
古代の発見―詩とモラルについて―
風の訪れ―喩と叙景
明恵覚書
千々にくだきて―芭蕉と実朝
漢詩の和文訳のこと―蕪村に触れて
雙脚等閒に伸ばす―晩年の良寛
人生の舞台―天地一大戯場
子規の絶筆三句について
修羅の精神―詩「小岩井農場」に触れて
賢治の「青ひとのながれ」に触れて
茂吉と白秋―子規非詩人説をめぐって
昼の螢―茂吉・白秋・芭蕉
明恵・文覚・茂吉
浪漫の詩人―杉田久女頌―
短歌の調べ 俳句のリズム―五七調と七五調について
短歌・俳句のリズムについて―四拍子・二拍子説批判
原型からの視点―星野徹詩論集『詩の原型』について―
山口ひとよ詩集『復活祭まえに』を読んで
下山嘉一郎詩集『はにわの歌』と抒情
もう一人の芭蕉―詩集『芭蕉四十一篇』に寄せて
晴と褻と―星野徹詩集『今様雑歌』に寄せて
日常の幻まぼろし像―中崎一夫詩集『幻化その他』を読む
嗜虐と被虐―『鏡と街』粕谷栄市の世界
甦る失われた日々―小島俊明著『シャルトルの翡翠』に触れて
思い出すままに―村野四郎先生を偲んで―
「詩人村野四郎記念館」を訪ねて
詩の縁―田村隆一さんのこと
北山泰斗さんのこと
井本農一先生を偲んで
勝原士郎さんと歩んで―句集『薔薇は太陽』を読む
詩人囲碁会のこと
ありしながらの―母を送るの記―
あとがき
著者略歴
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松林尚志(まつばやし しょうし)
1930 年 、長野県生まれ、慶應義塾大学経済学部卒業。
現代俳句協会、現代詩人会の各会員。
俳誌「木魂」代表、「海程」同人。
著書:句集『方舟』1966(暖流発行所)
『冬日の藁』2009(角川書店)
『山法師』2019(ふらんす堂)
詩集『H・E の生活』1976((株)無限)
『木魂集』1983(書肆季節社)
『初時雨』2020(砂小屋書房)
評論『古典と正統 伝統詩論の解明』1964(星書房)
『芭蕉 愛執と求道の詞花』1990(角川書店)
『日本の韻律 五音と七音の詩学』1996(花神社)
『瀧春―鑑賞』2001(沖積舎)
『子規の俳句・虚子の俳句』2002(花神社)
『現代秀句 昭和二十年代以降の精鋭たち』2005(沖積舎)
『斎藤茂吉論 歌にたどる巨大な叙情的自我』2006(北宋社)
『芭蕉から蕪村へ』2007(角川学芸出版)
『俳句に憑かれた人たち』2010(沖積舎)
『桃青から芭蕉へ 詩人の誕生』2012(鳥影社)
『和歌と王朝』2015(鳥影社)
『一茶を読む やけ土の浄土』2018(鳥影社)