私の影を踏まないで
星川ルリ
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光と影の七つの断章
*人間の魂とは天の摂理に対してなんと従順なのだろう…傷つける者も、奪う者も、裏切る者も、…あの神々しいあかね浄土の世界では、取るに足りない粉塵のような人間たちの蛮行にすぎないのだろう。『あかね浄土』
*「芸術は深く理解すれば…行き着く先は宗教なのかもしれない。でも信仰は神さまのご機嫌うかがいではなく常に問い糺すことだと思うの」『マイノリティー』
*遂にやってしまった! 刹那的快感がわきあがった。それはずっとながい間自分の体の何処かでくすぶっていて、外へ出たくてむずむずしていたのだと気づいた。『処方箋』
目次
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あかね浄土
六月の長い午後
棄てる
マイノリティー
処方箋
兄と弟
画壇
あとがき
初出一覧
著者略歴
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星川 ルリ(ほしかわ るり)
1944年岐阜市生まれ。
OLを経て27歳よりプロの洋画家となる。
自由美術協会、光陽会(会友秀作賞、奨励賞受賞)。
愛知県美術館にて在野集団個展、岐阜県総合展、岐阜女流展、
郷土作家100人展。近鉄デパートにて個展、グループ展多数。
1999年大病を患う。後、文筆活動を始める(岐阜市文芸祭賞、教育委員会賞他受賞)。
文芸誌「北斗」同人。岐阜県歌人クラブ会員。
著書:『血赤さんご』(鳥影社、2013年)