価格
2420円(税込)
ページ数
242ページ
発行日
2022年8月8日
ISBN
978-4-86265-975-0
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書評・マスコミ掲載
日経新聞で紹介
幕末の大砲、海を渡る —長州砲探訪記—
郡司 健
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長州藩で大砲鋳造に従事した高祖父を持つ著者が、連合艦隊によって接収され、世界各地に散らばった長州砲を探す旅に出た。先駆者・古川薫氏が遺したヒントを元に、現地取材を重ね、内外の研究者と交流し、その背景を20年以上にわたり徹底的に研究。そこには新たな発見と驚きの出会いがあった。
ロンドン、パリ、アムステルダム、ワシントンDC……世界の大都市に、幕末の長州砲たちが、威風堂々、いまも鎮座している。
目次
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はじめに
第一章 下関戦争
一 海防から攘夷へ
二 文久三年(一八六三)の攘夷戦争
三 元治元年(一八六四)の欧米連合艦隊の来襲
四 海を渡った大砲
第二章 オランダの下関砲
一 オランダの大砲探索
二 デン・ヘルダー海軍博物館と下関砲
三 アムステルダム国立博物館と下関砲(長府砲)
四 デン・ヘルダー野戦砲の謎とヘイズ・リスト
第三章 パリの大砲
一 パリ・アンヴァリッドの西洋式一八ポンドカノン砲
二 西洋式カノン砲のフランス帰属―ILN記事より―
三 長州砲の由来と行方
四 さらばパリのカノン
五 心はロンドンへ
第四章 ロンドンの大砲
一 荻野流一貫目青銅砲と萩の二つの鋳造所
二 ロンドン東郊のロタンダ大砲博物館
三 一貫目青銅砲(和式大砲)の特徴
四 ロタンダ展示場での意見交換
五 アームストロング砲
第五章 ロンドン・パリ再々訪と「ドラゴン―東洋の大砲―」展
はじめに
一 ロンドン再訪と長州砲里帰り運動
二 ロンドン・パリ再々訪
三 ファイア・パワー「ドラゴン―東洋の大砲―」展
第六章 欧州の長州砲とその後
はじめに
一 ロンドンの長州砲、萩へ帰る
二 二〇一一年の調査とロンドンの大砲
三 オランダ再訪
四 パリ・アンヴァリッドの長州砲とその後
五 かつて英国ポーツマスにあった三門の大砲
第七章 ワシントンDCのボンベカノン長州砲
はじめに
一 ワシントン・ネイヴィヤードと長州砲
二 ボンベカノン考
三 幕末遣米使節団とネイヴィヤード―小栗忠順の決断と近代化―
むすびにかえて
第八章 海を渡った大砲の種類―長州側資料とヘイズ・リスト―
一 使用された大砲の種類
二 ヘイズ・リストの分析と砲耳の識別番号
三 カノン砲の砲長別分類
四 事前・事後比較分析
第九章 幕末期における大砲の技術水準差
はじめに
一 下関戦争と薩英戦争との比較
二 英米の最新鋭大砲―ダールグレン砲とパロット砲
三 幕末大砲技術の格差と進展
四 錬鉄製カノン砲と鉄張大砲
終章 萩藩の大砲鋳造と砲術
一 萩藩の大砲鋳造所―松本と青海―
二 江戸後期における鋳造活動・砲術活動
おわりに
謝辞
著者略歴
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郡司 健(ぐんじ たけし)
1947年、山口県生まれ。
大阪学院大学総合学術研究所教授・同所長
経営学博士(兵庫県立神戸商科大学、〈現〉兵庫県立大学)
公認会計士試験委員(2006年12月~2010年2月)
著書
『連結会計制度論 ―ドイツ連結会計報告の国際化対応―』(中央経済社、2000年、日本会計研究学会太田・黒澤賞受賞)
『海を渡った長州砲 ―ロンドンの大砲、萩に帰る―』(萩ものがたり、2008年)
『幕末の長州藩 ―西洋兵学と近代化―』(鳥影社、2019年)
他