価格
1650円(税込)
ページ数
256ページ
発行日
2013年6月17日
ISBN
978-4-86265-404-5
七十一年目の『第九交響曲』
木村伸夫
- ベートヴェン『第九交響曲』の日本初演は徳島県板東。第一次大戦のドイツ人俘虜たちが演奏した。
それから半世紀以上。その板東の青年がマイセンの焼き物に魅せられ、修行を志して冷戦下の旧東ドイツへ旅立つ。そこで彼は、かつて板東でフルートを演奏したドイツ人の孫娘に出会う。やがて彼らはベルリンの壁の崩壊に立ち会い、バーンスタインが指揮する『第九』を聴くことになる。
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深く、普遍的な人類愛に満ちた『第九』。この曲の時空を超えた大きな力を、本書は興味深く語り、伝えている。
〈作曲家 池辺晋一郎〉
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「祖父たちが七十一年前、異国の地で、苦難があろうとも、やがて歓びが訪れることを願って演奏した気持ちを少しでも理解したい。そして今、三十年近くにわたって苦悩を突き付けていた『壁』が開放され、歓びがもたらされた。人間がつくった苦悩は、やがて人間の手によって歓びに変えられることを知ったのよ」
(本文より)
目次
- 第一章 大谷焼に育つ
第二章 マイセンへの憧憬
第三章 未知への旅
第四章 「壁」の前の邂逅
著者略歴
- 木村伸夫(きむら のぶお)
大阪に生まれ京都に育つ。
大学卒業後、大学図書館及び博物館の仕事に従事。
京都市在住。
著書:
『ひだまりの樹陰』(MBC21京都支局すばる出版)
『第九交響曲ニッポン初演物語』(知玄舎)
『ベルリンの蒼き森』(知玄舎)