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私から 私への手紙一〇五章
坂本満津夫
- 本好きのわき見運転 広部英一から尾形明子まで
高見順はじめ昭和文学の作家を論じてきた著者が、長年の文学仲間や作家、詩人、ひいきの歌舞伎役者についてなど、縦横に書き連ねた文学エッセイ。 -
青年時代に読んで感激したことが、尾を引いて、そこから抜け出せないのである。結果、「高見順論」などは五冊も書いた。
そして、高見と同世代の文芸評論家・平野謙。プロレタリア文学から抜け出す前に、四十二歳で、日本敗戦の二日後に病死した島木健作。『冬の宿』の阿部知二、『足摺岬』の田宮虎彦??などに、わき見運転をしてしまう。
本道よりも、横丁の、わき見運転は、屋並みが違ったりして、面白い。
益々、深入りして行く。(本文より)
目次
- まえがき
1 美少女好きの「広部英一」
2 広部英一よ、何故先に逝く
3 広部英一の「知られざる事」
4 広部英一・出発点での誤算
5 広部英一・私との深い絆
6 「方丈記」と近松と堀田善衛
7 大久保房男・編集者の近著
8 高見順の「荒磯忌」
9 植田正治・間と間の間
10 半藤一利・マスコミの寵児
11 堀江朋子『日高見望景』
12 堀江朋子の『三井財閥とその時代』
13 辻井喬・染太郎でのこと
14 定住五十余年の「よそもの」
15 無趣味の効用
16 井上靖は小説家じゃないのか?
17 敬老会に来年も……
18 津村節子・「浮巣」から「紅梅」へ
19 立原正秋・風月楼での酒
20 くちなし忌で得をしたこと
21 三好達治に嵌まった張籠二三枝
22 岡崎純の最新の仕事
23 芝居に魅かれて三千院へ
24 ボケ防止の雑文書き
25 『小浜城有情』の岡村昌二郎
26 『小浜城有情』で勉強したこと
27 「文学館」建設に期待する
28 新聞よりチラシの効用
29 吉増剛造・詩と文業
30 四代目猿之助に期待
31 水上勉との「一期一会」
32 高田博厚さんの「裸婦像」
33 浜川博さんの雑念雑記
34 〈人民文庫〉から〈文芸戦線〉へ逆流
35 〈日本浪漫派〉と〈人民文庫〉の対立
36 開高健と丸岡町とのゆかり
37 登美子サンもやっぱり女
38 丸谷才一の『横しぐれ』
39 『海も暮れきる』の吉村昭
40 加山又造の『裸婦百態図』
41 文芸雑誌の復刻版たち
42 〈文芸戦線〉と〈文芸時代〉
43 広告から「時代」を見る
44 「私的つぶやき」のこと
45 定道明の「青磁」
46 〈日本海作家〉「終刊の辞」
47 「人生の並木路」にホロリ
48 〈文芸戦線〉よ、もう一度
49 北一輝と川端康成
50 国策とテロリズム
51 「第四階級の文学」とは?
52 「放浪記」と血盟団事件
53 『蟹工船』
54 高見順流「蟹工船」
55 小林多喜二への思い
56 「公達めける」と「にしん御殿」
57 輝いた『太陽のない街』
58 文選工の学識
59 『太陽のない街』の続き
60 昭和文学の傷痕
61 『編集者魂』に触れた
62 売れない作家が読む本
63 魂が哭く高橋竹山
64 僕二等兵・それでは困る
65 十八年と四十年の違い
66 本は買うもの・読むものではない
67 『私の歌舞伎遍歴』には負けた
68 華やかではない孤独死
69 次は俺の番?
70 赤い夕陽の満州で
71 少年時代からのクセ
72 文意と文体と新聞記事
73 啄木耽溺で北海道一周の旅
74 三人三様の三すくみ
75 文体は書き手のもの
76 憧れの銀座ママ
77 大平正芳の実像に迫る
78 アメリカに嵌められた角栄さん
79 原発銀座の住み心地は?
80 渡辺保の二つの仕事ぶり
81 売れない雑文書きの「仕事」
82 東京っていいなァ 行きたいなァ
83 傷心者は、何故、北へ帰るの?
84 一卵性双生児が生まれた時代
85 団十郎の「助六」にうっとり
86 〈文芸戦線〉とその時代
87 〈文芸戦線〉とその時代?
88 青野季吉の「仕事」たち
89 〈文芸戦線〉とその時代?
90 『放浪記』の林芙美子
91 銀座の秘密・超一流で
92 検察の罠・小沢一郎抹殺計画の真相
93 田中角栄が大好きな訳
94 大平正芳の生涯『茜色の空』
95 『土方歳三と新撰組十人の組長』
96 大谷吉継のすべて
97 『江戸と幕末』
98 『告 白』
99 『真綿荘の住人たち』
100 『月の輪草子』
101 『岩野泡鳴の研究』
102 『戦わざる提督・米内光政』
103 『昭和陸軍の軌跡』
104 『ナニカアル』
105 『華やかな孤独』
あとがき
著者略歴
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坂本満津夫(さかもと まつお)
昭和6(1931)年 栃木県生まれ
日本文藝家協会会員
「文芸復興」同人
福井市在住
著書『涼風熱思─断片的作家論』(昭和54年、創樹社)『高見順論─魂の粉飾決算』(平成14年、東京新聞出版局)『文士・高見順』(平成15年、おうふう)『小説家・津村節子』(平成15年、おうふう)『高見順の「昭和」』(平成18年、鳥影社)『高見順の「青春」』(平成20年、鳥影社)『女流作家が描く女の性』(平成20年、渓声出版)『わが心の文士たち』(平成22年、渓声出版)『私小説の「嘘」を読む』(平成22年、鳥影社) 『評伝・高見順』(平成23年、鳥影社)、『昭和文学の「赤と黒」』(平成24年、鳥影社)、『好きな作家 好きな作品 50選』(平成25年、鳥影社)
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