価格
2090円(税込)
ページ数
288ページ
発行日
2013年11月22日
ISBN
978-4-86265-432-8
内なる中原中也
青木 健
- 40年の時を経ていま甦る27歳の処女評論!
天才詩人中原中也と格闘し、20代の前半を費やして書かれた青春の書!!
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力作長篇 中原中也論
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「頑是ない歌」推薦 大岡昇平
豊かな詩法を持つ中原中也の作品は、また様々な角度からの解釈と鑑賞を許す。古い友人であった私には、その向日的な顔を向け、「我は甦りなり、生命なり」といっているように見えた。しかしそこに常に死の影がさしていることも見逃せなかった。若い世代である青木氏は、中原の詩篇が初期作品から、死を生の関数として持ち、含羞と恥とをくるみ込んだ、撚り糸の構造を持っていたことを、明らかにしてくれた。その生と歌の真の姿が現れた。
目次
- 序
Ⅰ プレリュード
Ⅱ 中也詩の宗教性
Ⅲ 中也詩のうたわれた〈場所〉
Ⅳ 青 春──富水太郎の失恋
Ⅴ 故郷喪失者のうた
Ⅵ 『靑銅時代』
Ⅶ 検証する怨念
Ⅷ 怠惰の掟──中也詩における時間性
Ⅸ 時代を孕んだ悲歌
Ⅹ 〈白〉と〈死児〉の映像について──ゲオルク・トラークルと中原中也
? 恥の存在論──ジュール・ラフォルグと中原中也
《自 注》
後 記
青木さんの『中原中也』に寄せて 北川 透
新版のためのあとがき
著者略歴
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青木 健(あおき けん)
1944年京城(現=ソウル)生まれ。名古屋大学法学部卒。
1984年「星からの風」で新潮新人賞。
著書
『中原中也―盲目の秋』
『中原中也―永訣の秋』
『幕末漂流』(以上河出書房新社)
『中原中也再見』(角川学芸ブックス)
『星からの風』(鳥影社)
編著
『年表作家読本 中原中也』
『田村隆一エッセンス』(以上河出書房新社)
など。