価格
1540円(税込)
ページ数
214ページ
発行日
2014年1月19日
ISBN
978-4-86265-438-0
昭和の戦争と大正ロマンのはざまに生きて
樋口大成
- 昭和の戦争を生きた人々の胸深くに秘められた大正ロマンの香りとリベラルの灯。これは親友の特攻死と戦争責任について考えながら、今の日本人に向けて記された憂国の書である。さらに暗い戦争のさなかにも存在した朗かさを戦時中の娯楽映画や歌謡曲に探る。この力こそが戦後復興を支えた原点であった。
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平和な旧制高校時代と特攻に象徴される親友の死、平和と戦争の二つの狭間に切り裂かれた著者の思い。その源泉からこの一書は綴られたに違いない。 「将来の日本人に再び美しいものを取り戻したいと思った。それが戦後長く生き延びた私の使命でもある」という思いこそが著者の願いである。
目次
- 第一部 昭和の戦争と日本人
第一章 泉に沿いて茂る菩提樹
第二章 戦争終結前後のこと
第三章 戦中戦後の天皇論
第四章 戦後の自虐と誤りで傷ついた日本人
第五章 潜在していた大正ロマンの例
第六章 ロマンの開花のために
第二部 昭和の戦争責任者の例
はじめに
第一章 杉山元陸相の独善(日中戦争関係)
第二章 池田純久参謀の戦争不拡大努力と近衛文麿首相の錯誤(日中戦争関係)
第三章 池田純久参謀のけじめ不明(日中戦争関係)
第四章 東條英機首相の独裁と非情(太平洋戦争関係)
第五章 まとめ
あとがきにかえて(都築和香子)
著者略歴
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樋口 大成(ひぐち ひろしげ)
1926年(大正15年)東京に生まれる。
旧制東京府立第六中学校、旧制佐賀高等学校、九州大学理学部化学科卒業。
福岡県立高等学校教諭、国立有明高等専門学校教授。
1989年(平成元年)定年退職、名誉教授(物理化学)。
趣味創作。2012年9月没。
著書『師団長だった父と私』(2002年、学研出版)
(北九州市自分史文学賞受賞)