価格
1650円(税込)
ページ数
232ページ
発行日
2014年6月10日
ISBN
978-4-86265-445-8
書評
週刊朝日で紹介
液状化の町から
名取二三江
- 3.11の大震災で液状化が起きた浦安。土台からもろく歪んだ被害の実態と、人間関係の液状化も同時に起きたかのような女主人公の日常を描いて秀逸な表題作、他二篇の作品集。
- 水分量の多いヘドロだから、少し乾燥させて、水気がなくなった方が泥は掬いやすいと思われる。この泥は東京湾の一部を深く掘ってポンプでくみ上げたものを、そのまま海岸に埋めたてたものだ。戦後すぐに浦安の沖の百万坪を埋め立て、数年間放置しておき、乾燥したのを住宅地としたもので、おそろしく腰のない土の上に、砂上楼閣のように築かれた新興住宅地だ。(本文より)
著者略歴
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名取二三江(なとり ふみえ)
婦人誌編集者を経て小説を書きはじめる。
本書は『人形を撮る』(菁柿堂刊)に続く作品集。