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R・Z・ベッカーの民衆啓蒙運動 近代的フォルク像の源流
田口武史
- ベッカーの著作と彼と同時代の啓蒙論・社会現象からVolkの概念とその社会的・文化的機能の変化を明らかにする。
目次
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序
第一部 民衆啓蒙運動の発端??〈啓蒙とは何か〉
第1章 プロイセン・アカデミー懸賞論文
1 挑発的な課題設定
2 ベッカーの懸賞受賞論文
第2章 「ベルリン水曜会」での論議
1 ベルリン水曜会活動方針案
2 会員たちの応答
3 「中間階級」による民衆啓蒙
第3章 「ベルリン月報」誌上の議論
1 ビースターとツェルナーの問題提起??市民社会と教会
2 メンデルスゾーンの啓蒙論??市民による啓蒙活動の領分
3 カントの啓蒙論??啓蒙に必要な社会的条件
第二部 民衆啓蒙運動の実践??R・Z・ベッカーの出版活動
第1章 『農民啓蒙試論』(1785年)
1 最初の呼びかけ
2 偽の啓蒙、真の啓蒙
3 農民の新たな価値づけ??VolkとNation
4 公衆の動員
第2章 『農民のための救難便覧』(1788年)
1 枠物語
2 〈生活指南〉部の内容
3 『救難便覧』の政治的側面
4 『救難便覧』の受容
第3章 『救難便覧』とクニッゲ『人間交際術』(1788年)
1 ベッカーとクニッゲの関係
2 偽の啓蒙に対する反感
3 啓蒙そのものに対する反感
4 民衆啓蒙運動に対する態度
第4章 フランス革命以降の民衆啓蒙運動
1 啓蒙と革命の因果関係??ベッカーの革命報道
2 『一揆熱』(1790年)
3 新聞編集に表れたナショナリズム
4 ベッカーの拘禁
第三部 民衆啓蒙運動とロマン主義??Volkの文学をめぐって
第1章 『救難便覧』の民衆文学研究における位置づけ
1 民衆文学の特性
2 民衆文学の創作者
3 民衆文学の受容者
4 民衆文学としての『救難便覧』
第2章 J・ゲレス『ドイツ民衆本集』(1807年)
1 啓蒙主義からロマン主義へ
2 「実用書」採用の意味
3 目録の目的と民衆本のジャンル規定
4 VolkとPobel??ロマン主義的啓蒙
第3章 グリム兄弟の民衆文学観
1 伝承の危機
2 ヤーコプ・グリムの自然ポエジー論とアヒム・フォン・アルニムの反論
3 ヴィルヘルムの自然ポエジー論
結
注
あとがき
文献一覧
著者略歴
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田口武史(たぐち・たけふみ)
1972年大分県に生まれる。
2004年九州大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。
2011年博士(文学)。松山大学を経て、現在、長崎外国語大学外国語学部准教授。
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