
価格
1980円(税込)
ページ数
255ページ
発行日
2014年9月11日
ISBN
978-4-86265-473-1

漱石の黙示録 キリスト教と近代を超えて
森 和朗
- ロンドン留学時代のキリスト教と近代文明批判に始まり、思想の核と言える「則天去私」にいたるまでの漱石の思想を、英文のメモ等をふまえて明らかにする。今に生きる吾輩がここにいる!
- 21世紀への遺言
-
すでに述べたように、漱石の思想は私たち日本人だけの専有物ではない。最もよく理解できるはずの私たちが、それをいつまでも黙示のままに留めておくことは、ひとり漱石に対する忘恩であるにとどまらず、世界の人たちに対する責務を蔑にすることではなかろうか。(本文より)
目次
- はじめに
第一章 船上での遭遇
第二章 ロンドンで見た地獄
第三章 近代の闇に沈んで
第四章 自己本位と利己本位
第五章 キリストの仮面
第六章 死線をめぐる彷徨
第七章 則天去私への道
結論 逆回転する世界
注
あとがき
著者略歴
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森 和朗(もり かずろう)
昭和12(1937)年、名古屋市生まれ。
名古屋大学経済学部卒。
NHKで報道番組などを担当。国際局チーフ・ディレクターを経て、日本大学芸術学部文芸学科講師などを経て、現在フリー。
著書として
『たそがれのキッチュ日本』(かや書房)
『マルクスと悪霊』(勁草書房)
『ドストエフスキー 闇からの啓示』(中央公論社)
『虚仮の島』(近代文芸社)
『仮象の迷界』(D文学研究会)
『吸血鬼ドルキュラの断末魔』(本の風景社)
『神と科学と無』
『自我と仮象第Ⅰ部』
『自我と仮象第Ⅱ部』
『自我と仮象第Ⅲ部』
『自由の破局』
『甦る自由の思想家 鈴木正三』
『黄金を食う神』(以上鳥影社)
などがある。