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フランス・イタリア紀行
トバイアス・スモレット
根岸 彰 訳
- トバイアス・スモレット著、根岸彰訳『ハンフリー・クリンカー』好評発売中
- この作品は書簡体によるイギリス近代最初の紀行文学で最良の旅行記である。作家の人間味が行間に生き生きと息づき、魅力的な筆致で18世紀ヨーロッパ社会と当時のグランドツアーの実態を描いてあますところがない。
《アメリカの一流旅行誌が史上最良の旅行書の一冊と選定》(コンデ・ナスト・トラベラー) - 発刊250周年
待望の名作完訳。 -
泊まる宿屋は暗くて湿っぽくて、ぞっとするほど汚い。虫だらけの夜具に身を横たえ、トイレもないし、食事ともいえないものを食べさせられる。
宿の主人はそろって不親切で強欲である。おまけに宿賃もべらぼうに高い。馬車引きの馬子たちとけんかも絶えない。こんな困難を乗り越えて、ローマ、フィレンツェなど各地で眼にした絵画、彫刻などを描く感性あふれる見事な筆致は本書での白眉である。
これほど克明かつリアルに近世ヨーロッパの諸事情が描かれているものは他にないであろう。翻訳者の10余年の研鑽を経て、待望の完訳ついに成る。
目次
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序 文
スモレットのイタリア・フランス旅程図
第一巻
第 一 信 ブーローニュ・シュル・メール 一七六三年 六月二十三日
第 二 信 ブーローニュ・シュル・メール 一七六三年 七月十五日
第 三 信 ブーローニュ 一七六三年 八月十五日
第 四 信 ブーローニュ 一七六三年 九月一日
第 五 信 ブーローニュ 一七六三年 九月十二日
第 六 信 パリ 一七六三年 十月十二日
第 七 信 M夫人あて パリ 一七六三年 十月十二日
第 八 信 M様 リヨン 一七六三年 十月十九日
第 九 信 モンペリエ 一七六三年 十一月五日
第 十 信 モンペリエ 一七六三年 十一月十日
第 十一 信 モンペリエ 一七六三年 十一月十二日
第 十二 信 ニース 一七六三年 十二月六日
第 十三 信 ニース 一七六四年 一月十五日
第 十四 信 ニース 一七六四年 一月二十日
第 十五 信 ニース 一七六四年 一月三日
第 十六 信 ニース 一七六四年 五月二日
第 十七 信 ニース 一七六四年 七月二日
第 十八 信 ニース 一七六四年 九月二日
第 十九 信 ニース 一七六四年 十月十日
第 二十 信 ニース 一七六四年 十月二十二日
第二十一信 ニース 一七六四年 十一月十日
第二十二信 ニース 一七六四年 十一月十日
第二十三信 ニース 一七六四年 十一月十九日
第二十四信 ニース 一七六五年 一月四日
第二巻
第二十五信 ニース 一七六五年 一月一日
第二十六信 ニース 一七六五年 一月十五日
第二十七信 ニース 一七六五年 一月二十八日
第二十八信 ニース 一七六五年 二月五日
第二十九信 ニース 一七六五年 二月二十日
第 三十 信 ニース 一七六五年 二月二十八日
第三十一信 ニース 一七六五年 三月五日
第三十二信 ニース 一七六五年 三月十日
第三十三信 ニース 一七六五年 三月三十日
第三十四信 ニース 一七六五年 四月二日
第三十五信 ニース 一七六五年 三月二十日
第三十六信 ニース 一七六五年 三月二十三日
第三十七信 ニース 一七六五年 四月二日
第三十八信 ニースのS医師あて トリノ 一七六五年 三月十八日
第三十九信 エクサンプロヴァンス 一七六五年 五月十日
第四十信 ブーローニュ 一七六五年 五月二十三日
第四十一信 ブーローニュ 一七六五年 六月十三日
天気の記録
『フランス・イタリア紀行』解説
スモレット年表
あとがき
訳者略歴
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根岸 彰(ねぎし あきら)
1949年生まれ
早稲田大学大学院文学研究科修了
茨城県立高等学校に33年間勤務する。
著書
『チャート式 ラーナーズ 高校英語』(共同執筆 数研出版)
『森の中で』(鳥影社)
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