価格
2640円(税込)
ページ数
436ページ
発行日
2014年12月11日
ISBN
978-4-86265-489-2
荷風散人 芸術としての孤独
若菜 薫
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永井荷風の人生と芸術を貫く「孤独」
その本質に迫る
ヴィスコンティ、タルコフスキー、アンゲロプロス等の映画芸術と谷崎潤一郎の世界に挑んだ著者が解明する、荷風散人。
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荷風の作品中に、「寂寞」という言葉が頻出することを考えると、これこそが、荷風の全生活と全芸術を通底する根本的感情であったことを疑うことは難しい。荷風の孤独を論じるとは、彼の孤独が他者の孤独とどのように異なっているかを、可能な限り明確化することを意味する。(本文序章より)
目次
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序章
第1部 荷風の本質
第1章 孤独の構造
第2章 エロティシズムの構造
第3章 現在と過去
第2部 美と現実
第3部 荷風の作品
第1章 初期作品 ?『野心』『地獄の花』『夢の女』論?
第2章 父親と母親 ?『暴君』『わくら葉』『孤』論?
第3章 闘争の場としての花柳界 ─『腕くらべ』論?
第4章 卑小な出世物語 ?『おかめ笹』論?
第5章 エロスの渇き ?『つきのあとさき』論?
第6章 私娼たちの叙事詩 ?『ひかげの花』論?
第7章 墨水に咲く女 ?『?東綺譚』論?
第8章 時代の黒い影の下で ?『浮沈』『踊子』論?
第9章 性の地獄絵図 ?『問はずがたり』論?
芸術としての死
あとがき
参考文献
著者略歴
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若菜 薫(わかな かおる)
1956年千葉県生まれ
中央大学仏文科卒業
著書
『ヴィスコンティ─壮麗なる虚無のイマージュ』(鳥影社 2000年)
『エイリアン─恐怖のエクリチュール』(鳥影社 2001年)
『聖タルコフスキー─時のミラージュ』(鳥影社 2003年)
『アンゲロプロスの瞳─歴史の叫び、映像の囁き』(鳥影社 2005年)
『ヴィスコンティⅡ─高貴なる錯乱のイマージュ』(鳥影社 2006年)
『ジャン・ルノワールの誘惑─薔薇のミロワール』(鳥影社 2009年)
『大谷崎?エロスの深淵』(鳥影社 2011年)