価格
1980円(税込)
ページ数
385ページ
発行日
2015年5月27日
ISBN
978-4-86265-504-2
定恵、百済人に毒殺さる
岩下壽之
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〈遣唐使三部作〉最終編、ついに完成!
中臣鎌足には不比等のほかに、11歳で唐に送られ、帰国直後に23歳で急死した長子の定恵がいた。
謎に包まれたその悲運の生涯を描いた壮大な歴史小説。
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ひょっとすると、おのれ自身の破滅を予感しているのではないか。
いや、二十二歳の俺が潰えることなどありえない。俺の人生はこれ
から始まるのだ。唐と朝鮮と、それから倭国。この三つを股にかけて
これから飛躍の時を迎えることになるはずだ。この三国に国境は要ら
ない。国籍や民族の違いも無意味だ。国家という概念自体が無用の代
物だ。相互の利益と信頼があれば、共存共栄は夢ではない。(本文より)
目次
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はじめに
主な登場人物
七世紀中頃の東アジア(地図)
序章 質の身を知る
第一章 長安の憂鬱
第二章 雪梅との出会い
第三章 百済の滅亡
第四章 洛陽無残
第五章 玄奘の嘆き
第六章 新羅僧義湘の入唐
第七章 さらば長安
第九章 泗?城や哀れ
第十章 幻影の飛鳥
終章 飛鳥残照
おわりに
著者略歴
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岩下壽之(いわした としゆき)
1934年(昭和14年)、大阪府豊中市生まれ。
幼年期を中国・大連市、少年期を長野県佐久市で送る。
東京教育大学(現・筑波大学)文学部卒。都立高校教員を経て、
2000年(平成12)から5年間、中国の大学で日本語教師を務める。
東京都八王子市在住。
著書・ノンフィクション
『大連だより─昭和十六〜十八年・母の手紙』(1995)
『大連・桃源台の家─昭和十九〜二十年』(1997)
『大連を遠く離れて─昭和二十一〜二十三年』(1998)
以上の〈大連三部作〉で「第17回山室静 佐久文化賞〉受賞。
小説
『日本から、旋風!』(2006)
『井真成、長安に死す』(2010)
『円載、海に没す』(2013)