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改訂版 文明のサスティナビリティ
野田正治
- 持続可能エネルギーによる都市の構築
化石燃料の枯渇は現代の文明に衝撃的な影響を及ぼすと考えられます。……持続可能な社会とは簡単に言えば枯渇してゆく化石燃料に頼らず、社会を動かすエネルギーを常に人類自ら生み出すことの出来る社会とすることです。再生可能なエネルギーを使って生活のできる社会です。 - なにが重要でなにが必要ないのか
目次
- はじめに
序 論
第Ⅰ章 エネルギーとエンジン
一. ターニングポイントとなった産業革命
二. 化石燃料の枯渇
可採年数
石油埋蔵量
石油の利用範囲
資源の国別使用量
これからの方策
三. 水の枯渇
地下水の減少
食料危機の予感
水はエネルギー
四. エネルギーの歴史
五. 新しいエネルギーとエンジン
再生可能なエネルギーの発見
燃料電池
燃料電池の未来
太陽光発電
風力発電
未来は既に予測されている
六. 可能性のあるエネルギーとエンジン
個別生産、個別消費
バイオ燃料
ゴミ発電
ハイブリッド車
電気自動車
航空機の燃料
七. ゼロ・エミッション(廃棄物ゼロ)の理念
八. ゴミ分別・エネルギー工場の提案
九. 地球温暖化はエネルギー問題
一〇.日本の方策
第Ⅱ章 都市のゆくえ
一. 複雑な都市環境
都市の歴史を知る
都市デザインの目標は人間存在
二. 都市のはじまり
人・もの・情報の繋がり
市場のはじまりが都市のはじまり
三. 交通の発達・産業革命以前
街道整備と舟運
すべての道はローマに通ずる
水の都・江戸
街道と舟運の交通システム
四. 産業革命以降の交通
東京の鉄道
山の手線の建設
郊外私鉄電車と沿線開発
高速道路と景観
空港は世界との接点
五. 都市の発展
産業革命以前の西洋の都市には類似点がある
都市は城壁で囲まれている
六. 都市・江戸のはじまり
江戸の原風景
徳川家康の江戸入り
日比谷入江の埋立と都市建設
徳川家康の都市計画
江戸の五街道
江戸・東京の段階的な推移
江戸の庶民生活
江戸を殺した明治維新
七. 江戸・東京の上下水道
水と都市
江戸の上水事業
神田上水の誕生
玉川上水の建設
東京の上水道
東京の下水道
八. 「まち」の崩壊
「まち」と「むら」の定義
シャッター通りの発生
九. 田園都市理論の拡大
ハワードの田園都市
ドーナッツ現象と行政
一〇.エコシティ・江戸
地球とゴミ
環境先進都市・江戸
里山とエネルギー生産
屎尿の農村還元
衣類、道具の再生利用
徹底した紙再生システム
完全分別収集システム
一一.陰陽学の京都・奈良
一二.ローマに見る都市の原則
ローマの風景
ローマ街道
水道システム
巨大建造物の時代
一三.パリに見る都市の景観
セーヌ川の存在
パリのグラン・プロジェ(大改造計画)
パリ初期の歴史
中世のパリ
一四.コンパクトシティ
コンパクトシティの概念
新たなコンパクトシティ
一五.まちづくり
まちづくりと自治体
まちづくりの本質
小樽運河
柳川掘割
九重「夢」大吊り橋
一六.郷里「富士」まちづくり提案
富士の風景
「夢の浮島桜並木」計画
一七.これからの都市
発展途上国と先進国
環境と経済
新しい日本をつくる
一八.「明日の庭園都市」の理念
二十一世紀・京都の未来から庭園都市へ
愛すべき地域、国土、地球環境を築く
都市形態の再構築
都市の魅力の情報発信
第Ⅲ章 これからの住居
一. 新しいエネルギーと住居
これからの住居
燃料電池住宅
新エネルギー住宅の提案
長寿命建築
外断熱建築
二. 日本の住宅の現状
生活の原点は「家」
最小限住宅
日本の住宅事情
環境志向
三. 建築の機能変化
四. 生活環境の歴史
建築様式の変遷
建築構造の変遷
建築構造の種類
建築設備の変遷
五. 家の形式
六. 住宅の販売と取得
住宅の販売方法
家の取得
七. 建築トラブル
基本的な原因
発注形態によるトラブル
八. 現代建築の問題
住宅の課題
モダンからポスト・モダンへ
九. 都市と建築の規則
都市構造
都市の法律
道路と建物
法律と環境保全
一〇.日本の都市・建築の特徴
広場と街路
城と城壁
「奥」と「間」そして「結界」
下足と上足
庭と渡り廊下
中庭のある住居
自然との共生
第Ⅳ章 人間とくらし
一. 環境と情報
コミュニティ
人類は相手が欲しい
ホモ・コムニカビリス(交信する人間)
二. 社会と人間
生活空間と人間
生活空間の産業
時代を見る目を養う
三. 人間の住む空間
社会環境
税金によって守られている社会環境
国民の支払う税金
住環境の維持
四. 日本の現実
債務超過国家と土地価格
少子高齢化と将来
最悪の事態からの脱却
五. ユニバーサルデザイン
ユニバーサルデザインとはなにか
ユニバーサルデザインの七原則
ユニバーサルデザインの広がり
ユニバーサルデザインの原型
六. 個体間距離
個体間距離とはなにか
人間における距離
距離帯のもつ意味
動物におけるスペーシングの機能
視覚空間と聴覚空間
嗅覚空間
皮膚と筋肉—近接受容器
触覚的空間
比較文化
時間・空間・異文化
七. アメニティ空間
快適な空間
時間の概念
化学反応する人間
ライトとコルビジェ
丹下健三と吉村順三
京都東山別荘群
中庭と坪庭
自然素材の家
八. 空間構成から「日本的考える力」を解明する
1 世界と日本
2 家の空間構成の違いは思考回路の違いを表している
3 「神域」と「広場」の空間構成は宗教と思考回路の違いを表している
4 「日本的考える力」とはなにか
5 芸術的科学的側面から日本的思考回路を検証する
6 日本的思考回路がもつ負の連鎖
7 身体的側面から日本的思考回路を検証する
8 日本の未来へ
あとがき
参考文献
著者略歴
-
野田正治(のだ まさはる)
1947年静岡県富士市生まれ。
静岡県立富士高校を経て、1970年東京理科大学工学部建築学科卒。
東レ株式会社、雨宮建築事務所、丹下建三・都市・建築設計研究所を経て
ナウ環境計画研究所を設立して現在に至る。
1996年より東京理科大工学部建築学科非常勤講師、工学院大学建築学科非常勤講師、芝浦工業大学建築工学科非常勤講師を各数年間務める。
2004年目白大学社会学部社会情報学科特任教授となり現在に至る。
資格
一級建築士
受賞
1974年新建築国際住宅設計競技 第1位 吉岡賞
1978年読売新聞主催住宅設計競技入賞
1986年乾式防火サイディング設計施工例コンテスト「富士の家」特選
1998年京都市主催国際設計コンクール「21世紀京都の未来」入賞
著書 『文明のサスティナビリティ』(三弥井書店、2009年)
『法隆寺コード』(三弥井書店、2015年) 『飛鳥の暗号』(鳥影社、2016年)

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