価格
6380円(税込)
ページ数
1046ページ
発行日
2017年5月15日
ISBN
978-4-86265-602-5
書評
図書新聞で紹介
ニーベルンゲンの歌
岡﨑忠弘 訳
『ニーベルンゲンの哀歌』も好評発売中!
ドイツ語文化圏に今も息づく壮絶な闘いの記憶
『ファウスト』とともにドイツ文学の双璧をなす英雄叙事詩『ニーベルンゲンの歌』を、原文の一語・一文・一詩節を考量しながらの綿密な翻訳。詳細な訳註と解説を付す。
ドイツ英雄叙事詩待望の完全新訳。
ドナウの水の精に予言された、ブルグント勢全滅の運命に敢然と立ち向かって生還を期す武人ハネゲの強靱な意志、一方、謀殺された夫ジーフリトにまことを尽くし、隠忍すること26年、夫の無念を晴らさんとするクリエムヒルトの一途な思い、これが激突して、雪辱戦は凄絶を極める。
血縁の氏族社会の中で、亡夫の復讐を図る王妃クリエムヒルトは、実の兄弟まで巻き込んで、首謀者ハゲネを自らの手で打ち殺すが、その直後、味方の老将に鬼女として成敗されてしまう。妃の仇討ちは誉められもせず、妃の死は悼まれもしない。
男も女も一族のさだめから逃れる道はない。
目次
前 編
第一歌章
第二歌章 ジーフリトのこと
第三歌章 ジーフリトがヴォルムスへ来たこと
第四歌章 ジーフリトがザクセン軍と戦ったこと
第五歌章 ジーフリトがはじめてクリエムヒルトに会ったこと
第六歌章 グンテルがプリュンヒルトを求めてイースラントへ渡ったこと
第七歌章 グンテルがプリュンヒルトを獲得したこと
第八歌章 ジーフリトが部下を呼びに行ったこと
第九歌章 ジーフリトがヴォルムスへ遣わされたこと
第十歌章 プリュンヒルトがヴォルムスで歓迎されたこと
第十一歌章 ジーフリトが妻を伴って故国に帰ったこと
第十二歌章 グンテルがジーフリトに饗宴への出席を乞うたこと
第十三歌章 ジーフリトが妻とともに饗宴へ出向いたこと
第十四歌章 王妃たちが罵り合ったこと
第十五歌章 ジーフリトが裏切られたこと
第十六歌章 ジーフリトが討たれたこと
第十七歌章 ジーフリトが哀惜、埋葬されたこと
第十八歌章 ジゲムントが故国に帰ったこと
第十九歌章 ニーベルンゲンの宝がヴォルムスへ運ばれたこと
後 編
第二十歌章 エッツェル王がクリエムヒルト求婚の使者をブルグントの国へ送ったこと
第二十一歌章 クリエムヒルトがフン族の国へ向かったこと
第二十二歌章 クリエムヒルトがエッツェルに迎え入れられたこと
第二十三歌章 兄弟たちが祝宴へ来るよう、クリエムヒルトが事を進めたこと
第二十四歌章 ウェルベルとスウェメルが主君のことづてを伝えたこと
第二十五歌章 ニーベルンゲン族がフン族のもとへ旅立ったこと
第二十六歌章 ゲルフラートがダンクワルトに討たれたこと
第二十七歌章 一行がベヒェラーレンに到着したこと
第二十八歌章 ブルグント国の一行がフン族の国に到着したこと
第二十九歌章 クリエムヒルトがハゲネを責め立てたこと、並びにハゲネが王妃に対して起立しなかったこと
第三十歌章 ハゲネとフォルケールが歩哨に立ったこと
第三十一歌章 一行が教会へ詣でたこと
第三十二歌章 ダンクワルトがブレーデルを討ったこと
第三十三歌章 ブルグント勢がフン族と戦ったこと
第三十四歌章 ブルグント勢が死者たちを広間から投げ出したこと
第三十五歌章 イーリンクが討たれたこと
第三十六歌章 王妃が広間を焼き払わせたこと
第三十七歌章 リュエデゲールが討たれたこと
第三十八歌章 ディエトリーヒ王の武士全員が討たれたこと
第三十九歌章 ディエトリーヒ王がグンテル並びにハゲネと戦ったこと
前編 訳注
後編 訳注
解 説
主要人名・地名表
使用テキスト・参考文献
あとがき
『ニーベルンゲンの歌』の舞台の地図
著者略歴
岡﨑忠弘(おかざき ただひろ)
1938年鹿児島県生まれ。
広島大学大学院文学研究科博士課程中退。言語学専攻。広島大学名誉教授。
職歴:近畿大学、北海道大学、広島大学。
1976年フンボルト財団奨学生としてハイデルベルク大学留学。
主要論文:「Der Nibelunge Nôtにおける否定表現の研究—否定詞neの衰退の様態について」
「ジークフリートの挑発をめぐって」
「Welche Bedeutung hat der Nibelungenschatz?」