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『イタリア映画史入門1905─2003』ジャン・ピエロ・ブルネッタ 著 川本英明 訳
朝日新聞 平成20年(2008年)7月27日
約百年のイタリア映画史充実した資料・年表で解説
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『千道安』斎藤史子 著
週刊朝日 週刊図書館 平成20年(2008年)7月11日号
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『愛知県宝飯郡・前芝村のころ』庄田綾子 著
東日新聞 平成20年(2008年)6月26日
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『運慶の謎』山野貞子 著
朝日新聞 読書欄 平成20年(2008年)6月22日
いざ、鎌倉 戦乱の歴史をしのび、古都を歩く 評者・大上朝美
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『千道安』斎藤史子 著
中外日報 読書欄 平成20年(2008年)5月27日
〝父の茶〟超えよう…嫡男のもがき
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『小堀遠州』中尾實信 著
奈良新聞 平成20年(2008年)5月25日
茶道で乱世生きた歴史絵巻 評者・嘉瀬井整夫(文芸評論家)
茶道を身上として乱世を生きようとした小堀遠州。世を渡ることの至難さは、一通りの苦労では歯が立たぬ。才能、機知、胆力、決断、およそ考えられるものを、総力をあげてかからぬと大変なことになる。 幼時から父正次から、いろいろなことを学びながら成長してきたが、人生における謎はいよいよ深まるばかり。
本書は著者が「月刊遠州」に五年にわたり連載した「小説孤蓬平心」をまとめたものである。その登場人物の多数はもとより、主人公小堀遠州を縦軸に、歴史の流れを横軸にした。みごとな歴史絵巻になっていることは、いうまでもないだろう。うれしいことに奈良の称名寺の村田珠光も登場する。
また、転害町の漆屋の松尾源三郎をはじめ、馬借集団を駆使して巨富を蓄えた古市澄胤等々、大和の住民にとってはおなじみの人物たちである。 遠州は、ある意味ではマルチ人間であったといえるかもしれない。のちに作事奉公にもなるが、建築のことにも精通していたのだ。茶道における細かな神経が、建築の世界にも通用したということだ。 もちろん作庭もするから庭師としても一流である。それは方々の庭を見て回り、みずからの目を養うことであった。武将や茶人たちとの語らいも重要で、時にはまつりごとに関する質問を受けることもあった。 一方では書をはじめ、美術品に対する知識も求められたり、ディレッタントとしての素養が必要であったから、神経の休まるときが少なかったといえる。 歴史の流れは、関ヶ原の合戦が終わり、豊臣秀吉の時代が終わり、徳川家康の登場によって徳川時代の幕開けとなる。その間、めまぐるしい人事の更迭があり、複雑な人間関係を見せられる。 しょせん、乱世の時代を、どう生ききるかは、永遠の課題であろう。人を倒し、踏み越えていくのは、不変の真理であり、善意のみでは生き残れぬことを告げている。ある意味では人生不可解だ。ここに空前の歴史絵巻がある。 |
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『小堀遠州』中尾實信 著
週刊読書人 平成20年(2008年)5月9日
一茶人の生涯を描く 評者・待田晋哉(読売新聞大阪本社記者)
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『高見順の青春』坂本満津夫 著
朝日新聞 平成20年(2008年)5月4日
日記駆使し〝嵐〟の日々に光 評者・嘉瀬井整夫(文芸評論家)
最後の文士といわれた高見順は、ある意味では昭和文学の立役者的な存在だ。事実『昭和文学盛衰史』なる一冊も書いている。だが、その出生には暗い影がつきまとっていた。いわゆる私生児としてのそれであった。 昭和五年、東京大学英文科を卒業。在学中、ダダイズム、マルクス主義などの影響を強く受け左傾。だが、昭和八年、治安維持法違反の疑いで検挙、その後転向して作家生活に入る。 本書では、そうした高見の青春時代を、日記や手紙を駆使し、斬新な高見論にまとめている。何よりも、「です、ます」調の文体は中村光夫を思わせ、読みやすくしていることは否めず、著者自身そのことを認めている。
たとえば、「高見の〝日記〟と〝詩〟と〝手紙〟は、小説の酵母なのです。醗酵する前のカオスというか、コアなのです」といったように、畳みかけるように進行させていく。そして、高見の作家としての生き方を「時代に絡み、自分に拗(す)ねていた」ととらえている。そうした高見の青春は、昭和八年に始まったとしている。 その嵐のような青春は、彼が入獄中に妻が家を去り、出所してくると妻はいなかった。 高見のみずみずしい感覚は、『樹木派』や『死の淵より』などの詩集を生んだ。また、一方では膨大な「日記」を残し、日記作家としても注目された。しかし、その背景には父母との軋轢(あつれき)があり、文字どおり嵐の青春を通過してきたのである。 ところで、本書を通読すると、そこには昭和文学史が散見され、赤裸々な私生活ものぞかせている。また、中野重治との比較や、文学論争とケンカ好きな一面など、幅広く高見をとらえているところに納得できる。あるいは平野謙や江藤淳とのかかわり、『混濁の浪・わが一高時代』の紹介など、軽く語られているようでも重みがある。さらに秋子夫人のことなど、これまでの高見論に、見落とされてきた諸点を補綴(ほてい)され、ここにユニークな評論が完成されたことは特筆されるべきであろう。 |
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『蝉神─せんしん』藤田泰彦 著
奈良新聞 平成20年(2008年)4月6日
再会した彼女は〝変態〟した 評者・嘉瀬井整夫(文芸評論家)
私と、日裏冴和巳(ひうら・さわみ)との十七年ぶりの再開。私(平井)は、東京駅から新幹線に乗りS駅で降り、東海道本線の普通列車でR駅まで行き、そこからローカル線を利用して、四つ目の蝉神(せみがみ)という名の無人駅で降りた。
改札口を静かに通りぬけると、アスファルトの道が続いている。にわかに、降りそそぐみたいに蝉の声がする。幻聴なのだろうか。夜なのにめまいを感じ、ベンチに腰を下ろさずにはいられなかった。彼女は果たして迎えにくるのだろうか。十七年という時の流れは、彼女をどう変えているのか興味があった。
だが、実のところ、彼女との再会は、ためらわずにはいられなかった。いっそのこと、会わずにおこうか。彼女も、すでに四十に近いはずだ。私の思考は、どうしても過去にさかのぼる。あのころ、彼女は私の部下で、与えられた仕事を無難にこなしていた。そんな彼女だったが、今はどうなのか。 そして、再会した私は、蝉神神社へ参詣する。村の上部に「蝉神神社」と黒い墨で記された板が張り据えられ、社殿には格子が設けられていた。そんな彼女が憑依(ひょうい)し、最後は天に昇る。「楕円(だえん)形状の虹が綾(あや)なす様相の冴和巳は空中で一時(いっとき)停止し、まるで勾玉(まがたま)にも似る姿に変化しあたかも見つめるようにする」。衝撃を受けた私は、あぜんとして見つけるほかはない。 ともかく、このようなストーリーを展開せしめた著者の背景には、古神道、仏教、道教、東アジアのシャーマニズムを信奉し、アニミズムを日々の心のよりどころとしていることが、何よりの証左となっている。 一見、横溝正史の世界を思わせるところもあるが、冴和巳が蝉神の変態について語るあたりは迫真だ。蝉は蝶(ちょう)や蛾(が)と同様に変態し、蛹(さなぎ)の状態で静止した仮死の期間がなく、土中から自力ではい出し、数時間で脱皮して成虫、蝉となる。屍(しかばね)は抜け殻に該当する。彼女の変態の奥義は、ここにおいて真実語られている。 |
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『小説 永井荷風』小島政二郎 著
週刊文春 文春図書館 私の読書日記 平成20年(2008年)3月13日号
荷風、岡崎京子、古本屋の魂 評者・鹿島茂(フランス文学者)
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『日本の現代作家12人の横顔』マンフレート・オステン 著 大杉洋 訳
毎日新聞 平成20年(2008年)2月10日
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『小説 永井荷風』小島政二郎 著
毎日新聞 読書欄 平成20年(2008年)1月13日
評者・丸谷才一
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『小説 永井荷風』小島政二郎 著
週刊朝日 平成19年(2007年)11月16日
師と慕う荷風への愛憎が交錯する幻の本 評論家 川本三郎
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『ポーランド旅行』アルフレート・デーブリーン 著 岸本雅之 訳
産経新聞 平成19年(2007年)11月11日
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『風船爆弾を作った日々』愛媛県立川之江高等女学校33回生の会 著
信濃毎日新聞 読書欄 平成19年(2007年)3月25日
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『新ロビンソン物語』ヨアヒム・ハインリヒ・カンペ 著 田尻三千夫 訳
讀賣新聞 読書欄 平成19年(2007年)3月4日
評者・松永美穂(早稲田大学教授)
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『アメリカという名のファンタジー』山口知三 著
毎日新聞 本と出会う 平成19年(2007年)2月18日
19世紀ドイツを「米国移住熱」が覆った 評者・富山太佳夫(青山学院大教授 英文学)
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『日本的エロティシズムの眺望』元田與一 著
朝日新聞 読書欄 平成18年(2006年)11月19日
評者・陣内秀信(法政大学教授)
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『千利休より古田織部へ』久野治 著
朝日新聞 本棚 平成18年(2006年)10月11日
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