価格
3080円(税込)
発行日
2012年2月14日
ISBN
978-4-86265-342-0
新訂 古田織部の世界
- NHK BSプレミアムで放映「へうげもの」の原点
古田織部の生涯をたどる。
織部が展開した芸術的世界は、その根源において、ともすれば武家社会の中で失われていた、人間のゆたかな情操への回帰であり、人間復興(ルネサンス)への高らかな躍動であったと思われてなりません。(あとがきより)
目次
- いま、なぜ織部か──「古田織部の世界」の改版に際して──
第一章 茶の始まりと千利休
茶のはじまり
書院風の茶湯から佗び茶への道
千利休の出現とその周辺茶人人
第二章 古田織部の出生
生い立ち
第三章 織田信長の台頭と信長に仕えるまで
織部の生地は岐阜県本巣市
養父古田重安と細川幽斎
幼年期から仕官するまで
織部と細川幽斎
第四章 織部はクリスチャンであったか
キリスト教伝来を通じ、近世ヨーロッパの文明に興味をもつ
キリスト教の伝来と信長
高山右近とキリスト教
織田信長とキリスト教
十文字様について
黒織部十字釘紋沓形茶わん
第五章 織部の仕官から本能寺の変まで
織田信長への仕官
信長の諸国平定に従って
中川せん(仙)との結婚
養父の所領を継承
山城国の代官となる
藪中剣仲と古田織部
藪中家の茶道
千利休との出会い
第六章 やきものの発生から織部焼まで
やきものへの関心
陶器の起源
古田織部と桃山陶
第七章 織部十作の制定から千利休の死まで
茶人として歩み始める
織部正叙位と織部十作選定
千利休への師事
秀吉の天下統一
武蔵鐙の文、花筒「園城寺」の添え文
「音曲」(おんぎょく)の花筒の添え文
「辻が花」染めと織部の文様
千利休の死
織部・利休を淀の渡しで見送る
利休七哲
第八章 千利休からの脱皮
利休の茶からの脱皮
織部と小堀遠州
桂離宮と織部燈籠
織部流の確立
式正織部流
三斎流・菅野家のこと
秀吉の死と織部の隠居
第九章 茶匠としての大成
茶湯の名人として
「宗湛日記」による織部茶会
茶人と大徳寺法系
茶人、神谷宗湛
徳川時代の開幕と古田織部
菩提寺の建立
茶湯三昧の日々
第十章 古田織部の芸術(織部好みについて)
織部好みの茶室
茶入れ
掛物
棚
香合
織部の茶釜
織部の茶杓
水差しと花生け
織部緞子
織部紗
懐石
織部の文様
第十一章 大坂冬の陣と織部
織部の茶会
名古屋城と猿面茶屋・古織堂
愛弟子小堀遠州との疎遠
織部百ヵ条について
豊臣・徳川両家の狭間に立って
織部の筆蹟
キリシタンの追放
方広寺の鐘銘事件
近衛信尹の死
大坂冬の陣と織部の負傷
大久保忠隣謀叛の嫌疑で改易
第十二章 大坂夏の陣と織部の死
織部の交遊及び師弟関係
古田織部と数奇者
親しい人物を次々失う
大坂夏の陣と織部
織部はハト派である
織部処罰の要因
織部父子の自刃
織部死後の処分
四男の九郎八重行の遺文
第十三章 古田織部の消息
古田織部の消息(一)
古田織部の消息(二)
──小笹喜三氏の論考について──
古田織部の消息(三)
第十四章 「長谷木」と古田織部
「長谷木」と古田織部
「長谷木」の歴史
織部の長女・昌の嫁ぎ先
織部正から織部助へ
古田織部関係年譜・他
あとがき