
新訳 金瓶梅 下巻
田中智行 訳
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ついに完結
明代の驚異の書
真価を問う全訳
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「同時代の小説に、これを越えるものはない」(魯迅)
リアリズム小説の雄編か、堕落した性生活を描く淫猥の作か。
四百年の毀誉褒貶をあびつつ幻の名著であり続けた驚異の書。
徹底した訳文の検討によりその真価を問う新訳、ついに完結。
目次
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第六十七回 西門慶が書斎で雪を賞でること
李瓶児が切情を夢に訴えること
第六十八回 鄭愛月が媚びて告げ口をすること
玳安が懇ろに文嫂兒を訪ねること
第六十九回 文嫂児が林夫人に内実を報すこと
王三官が謀られて騒動を招くこと
第七十回 西門慶が任期を終えて昇進すること
朱太尉に役人が群がり謁見すること
第七十一回 李瓶児が何家での夢に出ること
提刑官が朝議にて謁見すること
第七十二回 王三官が西門を義父と仰ぐこと
応伯爵が李銘の不平を解くこと
第七十三回 潘金蓮が「憶吹簫」に治まらぬこと
郁大姐が「鬧五更」を夜うたうこと
第七十四回 宋御史が八仙の鼎を求めること
呉月娘が黄氏の宝巻を聞くこと
第七十五回 春梅が申二姐を罵りたおすこと
玉簫が潘金蓮に言いつけること
第七十六回 孟玉楼が呉月娘を宥めすかすこと
西門慶が温葵軒を追いはらうこと
第七十七回 西門慶が雪を踏んで愛月を訪問すること
賁四嫂が窓に凭れて密会を待望すること
第七十八回 西門慶が林夫人とふたたび戦うこと
呉月娘が藍氏を灯籠見物に招くこと
第七十九回 西門慶が欲をむさぼり病むこと
呉月娘が忘れがたみを産むこと
第八十回 陳経済が玉を窃み香を偸むこと
李嬌児が財を盗み廓へ戻ること
第八十一回 韓道国が運気に乗じ財を騙ること
湯来保が主人を欺き恩に背くこと
第八十二回 潘金蓮が月夜にこっそり逢引を果すこと
陳経済が高殿でふたりの美女を得ること
第八十三回 秋菊が恨みかかえて内情を洩らすこと
春梅が便りはこんで密会を助けること
第八十四回 呉月娘が大いに碧霞宮を鬧がすこと
宋公明が義もて清風寨より釈つこと
第八十五回 月娘が金蓮の密通を覚ること
薛嫂が春梅を月夜に売ること
第八十六回 雪娥が唆して陳経済を打たせること
王婆さんが金蓮を嫁がせ儲けること
第八十七回 王婆さんが貪欲の報いを受けること
武都頭が兄嫁を殺して兄を祭ること
第八十八回 潘金蓮が守備府で夢に出ること
呉月娘が勧進僧に布施すること
第八十九回 清明節に寡婦が新墓へ詣でること
呉月娘が誤って永福寺に入ること
第九十回 来旺が孫雪娥をかどわかすこと
役所が守備府に雪娥を売ること
第九十一回 玉楼が李の若殿に惚れて嫁ぐこと
李の若殿が怒って玉簪を打つこと
第九十二回 陳経済が厳州府で罠にかかること
呉月娘が大いに役所を鬧がすこと
第九十三回 王杏庵が義もて貧者を救うこと
任道士が財にて災厄を招くこと
第九十四回 劉二が酔って陳経済を殴ること
洒家の宿で雪娥が娼になること
第九十五回 平安が質草を盗みだすこと
薛嫂の陳情の巧みなること
第九十六回 春梅が古巣の池や館を訪れること
守備が張勝に経済を探させること
第九十七回 陳経済が守備府で用をすること
薛嫂児が商売して口を利くこと
第九十八回 陳経済が臨清で宿屋を開くこと
韓愛姐が妓楼で恋人に遇うこと
第九十九回 劉二が酔って王六児を罵ること
張勝が怒って陳経済を殺すこと
第百回 韓愛姐が湖州へと父をたずねること
普静師が怨魂の群れを済度すること
解説
あとがき
訳者略歴
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田中 智行(たなか ともゆき)
1977年、横浜生まれ。
2000年、慶應義塾大学文学部卒業。
2011年、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。
日本学術振興会特別研究員(PD)、徳島大学准教授を経て、
現在、大阪大学大学院人文学研究科教授。
専門は中国古典文学(白話小説)。
主な著書に、
『とびらをあける中国文学』(共著、新典社、2021)
主な論文に、
「『金瓶梅』張竹坡批評の態度」(『東方学』第125輯、2013)
「『金瓶梅』におけるセリフの表現機制」
(『明清文学論集 その楽しさ その広がり』東方書店、2024)
などがある。
