新訳 金瓶梅 中巻
田中智行 訳
- 本書の上巻、好評発売中!
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「リズムよく読める」「想像力が刺激される」と話題の上巻につづき
四大奇書さいごの未踏峰、いよいよその頂へ
衣服、食物、男女、宗教…。微細にわたる圧倒的な描写を渾身の筆で受け止めた充実の訳文と、読みごたえある訳注。 生活感情をあざやかに追体験させる作者のするどい眼差し。
- 待望の続巻
活写される人と世
充実の中盤
目次
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第三十四回 書童が寵愛を恃んで事を収めること
平安が憤懣を抱いて舌を振るうこと
第三十五回 西門慶が怨恨を抱き平安を咎めること
書童が女形役に扮し幇間を励ますこと
第三十六回 翟謙が文をよこし娘をもとめること
西門慶が蔡状元と交わりを結ぶこと
第三十七回 馮婆さんが韓氏の娘を縁づけること
西門慶が王六児を囲い物にすること
第三十八回 西門慶が搗鬼の韓二を甚振ること
潘金蓮が雪夜に琵琶を爪弾くこと
第三十九回 西門慶が玉皇廟で祈祷をすること
呉月娘が尼僧から説経をきくこと
第四十回 子供を抱いた瓶児が寵を願うこと
女中を装った金蓮が気を引くこと
第四十一回 西門慶と喬大戸が縁組すること
潘金蓮が李瓶児と反目すること
第四十二回 富家が門を塞ぎ花火をすること
貴賓が楼に酔い灯籠をみること
第四十三回 金をなくしたため西門慶が金蓮を罵ること
縁をむすんだゆえ月娘が喬夫人に会うこと
第四十四回 呉月娘が引きとめて李桂姐を泊めること
西門慶が酔いにまかせ夏花を締めること
第四十五回 桂姐が夏花を留めてもらうこと
月娘が玳安を怒りののしること
第四十六回 元宵に出あるき雪と雨に降られること
妻妾が笑いつつ亀の卦を立てさすこと
第四十七回 王六児が口を利き儲けを図ること
西門慶が賂を受け法を枉げること
第四十八回 曽御史が提刑の官を弾劾すること
蔡太師が政策七案を奏上すること
第四十九回 西門慶が宋巡按を迎えまねくこと
永福寺で見送って胡僧に遇うこと
第五十回 琴童が燕鶯の歓びをぬすみぎくこと
玳安が胡蝶の巷でたのしくやること
第五十一回 月娘が金剛科儀を聴聞すること
桂姐が西門慶宅に避難すること
第五十二回 応伯爵が洞窟で美人をからかうこと
潘金蓮が花園できのこを眺めること
第五十三回 呉月娘が合歓して跡取りを求めること
李瓶児の子供が無事で願解きすること
第五十四回 応伯爵が郊外の庭で友と集うこと
任医官が金持の家で病を診ること
第五十五回 西門慶が東京で誕生日を祝うこと
苗員外が揚州から歌童を贈ること
第五十六回 西門慶が常時節を援助すること
応伯爵が水秀才を推挙すること
第五十七回 永福寺改修のため道長老が寄付を募ること
陀羅経印刷のため薛尼が喜捨を勧めること
第五十八回 妬みと恨みから金蓮が秋菊を打ちつけること
塩漬け肉を乞うて鏡磨きが苦境を訴えること
第五十九回 西門慶が雪獅子を叩きつけ殺すこと
李瓶児が官哥のために痛哭すること
第六十回 李瓶児が怒りを堪え病に罹ること
西門慶が緞子屋を店開きすること
第六十一回 韓道国が西門慶を招待すること
李瓶児が重陽の宴で苦しむこと
第六十二回 潘道士が灯火の壇にて修祓すること
西門慶が李瓶児のため痛哭すること
第六十三回 親戚友人が弔って宴をひらくこと
西門慶が芝居に李瓶児を思うこと
第六十四回 玉簫が潘金蓮にひざまずき頼むこと
衛の役人が富家の奥さまを祭ること
第六十五回 呉道官が弔問客を迎え絵姿を讃えること
宋御史が有力者と共に六黄を請じること
第六十六回 翟家令が手紙と香奠を送ること
黄真人が亡魂の済度を行うこと
訳者略歴
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田中 智行(たなか ともゆき)
1977年、横浜生まれ。
2000年、慶應義塾大学文学部卒業。
2011年、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。
日本学術振興会特別研究員(PD)、徳島大学准教授を経て、
現在、大阪大学大学院言語文化研究科准教授。
専門は中国古典文学(白話小説)。
主な著書に、
『とびらをあける中国文学』(共著、新典社、近刊)
主な論文に、
「『金瓶梅』第三十九回の構成」(『東方学』第119輯、2010)
「『金瓶梅』張竹坡批評の態度」(『東方学』第125輯、2013)などがある。
などがある。