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新訳 金瓶梅 上巻
田中智行 訳
- 待望の中巻が発売!
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『三国志演義』『水滸伝』『西遊記』と並び称される四大奇書
『金瓶梅』出版400周年に送る新訳決定版
濃密かつ苛烈な人間劇と、生活の隅々にわたる飽くなき観察が渾然となった異形の傑作を、気鋭の研究者による清新な訳文で。最新研究に基づく訳注を附す。完訳三巻。 -
『金瓶梅』の「奇」は読者の内面に生起する。
血沸き肉躍る活劇ではないにもかかわらず、『金瓶梅』は読者の内面を平静に保ってはくれない。現実と地続きの小説空間に等身大の人物たちを緻密に描き、読者の精神にドラマを起こそうとする構想の斬新さが、『金瓶梅』を奇書たらしめている。
〈丸善出版『中国文化事典』「金瓶梅」抜粋(訳者執筆)〉 - Amazon中国の古典部門1位獲得
目次
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金瓶梅詞話序(欣欣子)
金瓶梅序(弄珠客)
跋(廿公)
引首詞
第一回 景陽岡にて武松が虎を退治すること
潘金蓮が夫を嫌がり色目を使うこと
第二回 西門慶が簾の下で金蓮に出会うこと
王婆さんが賄とって色恋を語ること
第三回 王婆さんが十の誘惑策を示すこと
西門慶が茶店で金蓮に戯れること
第四回 淫婦が武大に背いて間男すること
鄆哥が納得せず茶屋を騒がすこと
第五回 鄆哥が捕物を手伝い王婆を罵ること
淫婦が武大郎に毒薬を盛り殺すこと
第六回 西門慶が何九を金で動かすこと
王婆が酒を買い大雨に遭うこと
第七回 薛嫂児が孟玉楼との縁談を持込むこと
楊姑娘が張四舅に腹をたてて罵ること
第八回 潘金蓮が夜じゅう西門慶を待つこと
位牌を焼く坊さんが嬌声を聞くこと
第九回 西門慶が謀って潘金蓮を娶ること
武都頭が誤って李外伝を打つこと
第十回 武松が孟州へと流されること
妻妾らが芙蓉亭で楽しむこと
第十一回 金蓮が煽って孫雪娥を打たすこと
西門慶が李桂姐を水揚げすること
第十二回 潘金蓮が家僕と密通して辱めを受けること
劉理星が報酬を目当てに呪いを掛けること
第十三回 李瓶児が塀越しに密会すること
迎春が隙間から覗いてみること
第十四回 花子虚が腹を立てて命を落すこと
李瓶児が男に貢いで宴に赴くこと
第十五回 美人が玩月楼から見物を面白がること
幇間が麗春院にて遊興を盛上げること
第十六回 西門慶が財産をねらって縁談を進めること
応伯爵が祝賀にことよせ歓楽を求めること
第十七回 宇給事が楊提督の罪を暴くこと
李瓶児が蔣竹山を婿に招くこと
第十八回 来保が東京に上って事に当たること
陳経済が花園の工事を監督すること
第十九回 草裡蛇が蔣竹山に絡んで殴り付けること
李瓶児が西門慶を情もて感じ入らすこと
第二十回 孟玉楼が義もて呉月娘を諫めること
西門慶が大いに麗春院を鬧がすこと
第二十一回 呉月娘が雪を掃き茶を沸かすこと
応伯爵が花のため迎えに立つこと
第二十二回 西門慶がひそかに来旺の妻と淫すること
春梅が色を正して李銘を𠮟り付けること
第二十三回 玉簫が月娘の部屋で見張りに立つこと
金蓮がひそかに蔵春塢で盗み聞くこと
第二十四回 陳経済が元宵に麗人と戯れること
恵祥が来旺の妻を怒って罵ること
第二十五回 雪娥が秘めごとを暴露すること
来旺が酔って西門慶を謗ること
第二十六回 来旺が徐州へと護送されること
宋恵蓮が恥じて首吊りすること
第二十七回 李瓶児が翡翠軒でそっと話すこと
潘金蓮が葡萄棚で酔って騒ぐこと
第二十八回 陳経済が靴をだしに金蓮をからかうこと
西門慶があたまに来て小鉄棍を殴ること
第二十九回 呉神仙が貴賤みなの人相を見ること
潘金蓮が湯浴みして昼間に戦うこと
第三十回 来保が誕生祝いを護送すること
西門慶に子が生れ官につくこと
第三十一回 琴童が徳利を隠して玉簫をさぐること
西門慶が宴を開いて祝杯をあげること
第三十二回 李桂姐が義理の娘と認められること
応伯爵の冗談がぴたりと嵌まること
第三十三回 陳経済が鍵を紛失した罰に歌うこと
訳者略歴
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田中 智行(たなか ともゆき)
1977年、横浜生まれ。
2000年、慶應義塾大学文学部卒業。
2011年、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。
日本学術振興会特別研究員(PD)、徳島大学准教授を経て、
現在、大阪大学大学院言語文化研究科准教授。
専門は中国古典文学(白話小説)。
主な著書に、
『とびらをあける中国文学』(共著、新典社、近刊)
主な論文に、
「『金瓶梅』第三十九回の構成」(『東方学』第119輯、2010)
「『金瓶梅』張竹坡批評の態度」(『東方学』第125輯、2013)
などがある。
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