
価格
1980円(税込)
ページ数
154ページ
発行日
2021年4月20日
ISBN
978-4-86265-873-9

スモッグの雲
イタロ・カルヴィーノ 著
柘植由紀美 訳
- 1950年代の模索
「スモッグだ!」クラウディアに叫んだ。「あれが見える?スモッグの雲だよ!」
だが彼女は、…何かに気をとられていて、鳥のひと群れが、飛ぶのを見ていた。そして私はといえば……。
存在の仕方が異なる五人の副次的人物との関わりから描かれる「私」という人物像。樹上を軽やかに渡り歩く「ペンのリス」カルヴィーノの1950年代の模索がここにもある。他に掌篇四篇併載。─本邦初訳─
目次
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スモッグの雲
イザベッラとフィオラヴァンティ
あるクニの災難
不自由なクニ
図書館の将軍
著者略歴
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イタロ・カルヴィーノ(Italo Calvino)
1923 — 85年。イタリアの作家。
第二次世界大戦末期のレジスタンス体験を経て、
『くもの巣の小道』でパヴェーゼに認められる。
『まっぷたつの子爵』『木のぼり男爵』『不在の騎士』『レ・コスミコミケ』『見えない都市』『冬の夜ひとりの旅人が』などの小説の他、
文学・社会評論『水に流して』『カルヴィーノの文学講義』などがある。
訳者略歴