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随時随感 —勝手気儘な ひとりごと
坂本満津夫
- 思ったことを思うままに
小説を愛し、小説家に愛された男・坂本満津夫。
ライフワークである高見順とその関連作品評から有名作家たちとの交流、プロレタリア文学など小説と小説家への愛にあふれた136点を収録。 - 思ったことを思うままに書く
-
私も、新聞・雑誌に記事を書く時、誰を意識して書いたらいいのか、いつも迷うからである。頼みに来た編集者を納得させればいいのか。編集者の背後に、ゴマンといる読者に向けて書けばいいのか。(中略)私は、自分に向けて書くことにしている。書き手の私と読み手の私。─自作の最初の読者は、私自身であるからして、自分が納得できない文章はダメ─と、思うことにしている。(本文より)
(「あとがき」より)
目次
- 随 時 随 感 三〇章 ㈠
① 半藤一利 豆本年賀状の頃
② 下重暁子 『老いの戒め』
③ 高見 順 昭和十年スター誕生の年
④ 平野 謙 三度会って三葉の礼状
⑤ 立原正秋 「風月楼」での雑談
⑥ 辻井 喬 財界人と文人で名を成す
⑦ 曾野綾子 八十四歳の今でも、〝筆戦中〟
⑧ 本多秋五 全集の中から見えるもの
⑨ 吉村 昭 今も暮れきらない文士
⑩ 津村節子 六十七通のハガキと手紙
⑪ 三木 卓 「かまくら春秋」での遊び
⑫ 金子みずゞ 自殺するまでの夢想
⑬ 石川啄木 啄木歌集は精神安定剤
⑭ 大岡 信 わすれないで『折々のうた』
⑮ 黒古一夫 『戦争文学は語る』を精読
⑯ 本能寺の変 それって本当なの?
⑰ 種田山頭火 丸谷才一と渡辺利夫の山頭火
⑱ 尾﨑放哉 海も暮れきる・吉村昭
⑲ 小池昌代の『小説への誘い』を読む
⑳ 野村萬斎 五つの坊やと海水浴
㉑ 『わが胸の底のここには』秘め事を自分でバラス
㉒ 原発銀座の裏通り 関電の重役サンも来て‼
㉓ 岩橋邦枝 『月の光』で老女の性を描く
㉔ 阪本越郎 全詩集が意味するもの
㉕ 阪本若葉子 萬斎坊やの母親として
㉖ 『「内向の世代」論』もっと外を見て頑張って‼
㉗ 『近代日本総合年表』事典辞典はいろいろ
㉘ 正津 勉 詩人ではめしが喰えない
㉙ 『龍馬の言葉』日本を今一度洗濯いたし申し候
㉚ 坂本満津夫 私にとっての八月十五日
随 時 随 感 三〇章 ㈡
① 堀江朋子 『柔道一如』の人生
② 白石かずこ 自由奔放な外向性
③ 吉原幸子 『オンディーヌ』で高見順賞
④ 新藤凉子 薔薇を踏んだらダメよ
⑤ 俵 万智 『サラダ記念日』は百年に一度
⑥ 森 瑤子 『情事』ですばる文学賞
⑦ 林 京子 『祭りの場』で芥川賞
⑧ 高橋たか子 『人形愛』で水中に潜る
⑨ 藤堂志津子 『熟れてゆく夏』の鮮烈さ
⑩ 高橋のぶ子 中年男女の凄い情事
⑪ 山口洋子 『演歌の虫』で貢ぐ女に
⑫ 中里恒子 『時雨の記』は純文学長編
⑬ 林芙美子 『放浪記』は森光子のもの?
⑭ 瀬戸内寂聴 百歳まで騒聴でいて
⑮ 中沢けい 『海を感じる時』の若々しさ
⑯ 佐多稲子 『夏の栞』中野重治への思い
⑰ 宇野千代 『雨の音』北原武夫への相聞歌
⑱ 芝木好子 『雪舞い』豪邸に舞う雪
⑲ 大谷藤子 『風の声』から聞えるもの
⑳ 円地文子 『菊慈童』能舞台を見るような
㉑ 野口冨士男 『暗い夜の私』は文壇史
㉒ 大久保房男 『戦前の文士と戦後の文士』
㉓ 大岡昇平 『花影』三角情事の心理戦争
㉔ 島木健作 シャバと刑務所と肺病と
㉕ 大岡 信 『新編 折々のうた』
㉖ 磯田光一 『昭和作家論集成』の大仕事
㉗ 小田切進 学者先生が「顔を出す」
㉘ 奥野健男 大学教授の『文芸時評』
㉙ 青山光二 『闘いの構図』で平林たい子賞
㉚ 水上 勉 『弥陀の舞』取材の時
随 時 随 感 三〇章 ㈢
① 武田麟太郎 武麟夫人たちを観光案内
② 舟橋聖一 『岩野泡鳴伝』で〝毒薬〟を喰む
③ 梶山季之 『影の凶器』で表に出た男
④ 黒岩重吾 暗い背徳の人生を描く
⑤ 山本健吉 『遊糸繚乱』と『文芸時評』
⑥ 北原武夫 『霧雨』で宇野千代と最後の愛
⑦ 饗庭孝男 『西行』出家遁世の背後を描く
⑧ 白崎昭一郎 医学博士白崎先生であった
⑨ 津村節子 五十余年の長〜いつきあい
⑩ 津村節子 井の頭で北村西望に会う
⑪ 小池昌代 「詩人の小池昌代さん、三国で講演」
⑫ 下重暁子 不良老年になって頑張って
⑬ 下重暁子・黒田夏子 自分を掘り続ける二人
⑭ 黒古一夫 戦争文学をもっと語って!
⑮ 中野重治 大地主の息子がプロ文に
⑯ 「大波小波」 昭和八年から今日まで続く
⑰ 杉本秀太郎 大学教授の『文学演技』
⑱ 稲木信夫 詩集『溶けていく闇』
⑲ 「ふくい往来」 楽しい読物がいっぱい
⑳ 『芥川賞・直木賞一五〇回全記録』を読む
㉑ 『芥川賞物語』 川口則弘の執念調査に感嘆
㉒ 『直木賞物語』 五百頁もの一冊ご苦労サン
㉓ 『直木三十五作品集』 文藝春秋の大仕事
㉔ 乾 緑郎 『鬼と三日月︱山中鹿之介、参る!』
㉕ 小前 亮 『月に捧ぐは清き酒 鴻池流事始』
㉖ 細川護煕 元首相の『権不十年』精読
㉗ 山崎朋子 『サンダカン八番娼館』の頃
㉘ 小林敦子 就実大学准教授の仕事ぶり
㉙ 小林敦子 『生としての文学︱高見順論』
㉚ 佐々木幹郎 高見順より中原中也寄り
随時随感 三〇章 ㈣
① 吉増剛造 解らないから「読む」
② 小田切進 日本近代文学館の三代目理事長
③ 石光 葆 『高見順』(人と作品)
④ 土橋治重 『永遠の求道者 高見順』
⑤ 奥野健男 『高見順』
⑥ 高見 順 『現代詩読本 十三』
⑦ 上林猷夫 『詩人 高見順─その生と死』
⑧ 大井靖夫 『ビルマのエグザイル』
⑨ 亀井秀雄 『作家の自伝96 高見順』
⑩ 梅本宣之 『高見順研究』
⑪ 江口 渙 軍医総監のご令息がアカとは
⑫ 井上光晴 「遊女」を中心の歴史小説
⑬ 『宮本顕治文芸評論選集 第四巻』
⑭ 『「戦旗」「ナップ」作家集 五』
⑮ 『日本プロレタリア文学体系 八』
⑯ 「季刊文科」六六号で終り? では困るの
⑰ 啄木ボケのボケ老人のひとりごと
⑱ 日曜日は大忙し
⑲ 「天才」は角栄か慎太郎か
⑳ 田中角栄と「民衆の情念」
㉑ 吉田茂から山中鹿之介へ飛び火
㉒ 白洲次郎ってどんなひと
㉓ 夏目漱石 江戸ッ児・漱石のタンカ
㉔ 瀬戸内寂聴 老いも病いも受け入れよう
㉕ 『花の忠臣蔵』三二二頁の大作
㉖ 多田裕計 超高級料亭での〝接待〟
㉗ 『文学者の手紙 第六巻 高見順』
㉘ 『高見順の航跡を見つめて』宮守正雄
㉙ 平野謙の『高見順論』
㉚ 高見順ボケのおさらい・坂本満津夫
悠々漫筆
① 大久保房男さんの近著
② 堀江朋子さんの『日高見望景』
③ 次は私の番?
④ 春の岬の「三好達治」
⑤ 四つの忌み日
⑥ 二つの「私生児」
⑦ 高見順没後五十年の文庫
⑧ 半藤末利子さんの〝快速〟
⑨ 「ふくい往来」第二号
⑩ 鬼怒川と九頭竜川
⑪ 定道明氏の『杉堂通信』
⑫ 『カリラヤの風に吹かれて』を読んで
⑬ 『小説家・瀬戸内寂聴』を出版
⑭ 川上明日夫さんの詩集『灰家」
① 高見順の周辺
② 多田裕計・文業の総体
あ と が き
著者略歴
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坂本満津夫(さかもと まつお)
昭和6(1931)年 栃木県生まれ
日本文藝家協会会員
「文芸復興」同人
福井市在住
著書
『涼風熱思─断片的作家論』(昭和54年、創樹社)
『高見順論─魂の粉飾決算』(平成14年、東京新聞出版局)
『文士・高見順』(平成15年、おうふう)『小説家・津村節子』(平成15年、おうふう)
『高見順の「昭和」』(平成18年、鳥影社)
『高見順の「青春」』(平成20年、鳥影社)
『女流作家が描く女の性』(平成20年、渓声出版)
『わが心の文士たち』(平成22年、渓声出版)
『私小説の「嘘」を読む』(平成22年、鳥影社)
『評伝・高見順』(平成23年、鳥影社)
『昭和文学の「赤と黒」』(平成24年、鳥影社)
『好きな作家 好きな作品 50選』(平成25年2月、鳥影社)
『私から私への手紙105章』(平成25年10月、鳥影社) 『昭和文学の傷痕』(平成26年9月、鳥影社) 『小説家・瀬戸内寂聴』(平成28年6月、鳥影社)

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